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【インタビュー】すべての子どもに、学ぶ喜びを知って欲しい(共笑基金代表/安念正義さん)

 

の記事は、「すべてのこどもたちが、自分を褒められる世の中にしたい」という、わたしたち塾選び富山の想いをベースに、子どもたちの未来と希望を応援している方たちや、展望や夢を持つ人にインタビューしたものを紹介しているものです。

 

 

VOL1.~すべての子どもに、学ぶ喜びを知ってほしい~

安念正義(あんねん・まさよし)先生 共笑基金(ともえききん)代表

 

 

 

 

 

◆安念正義先生プロフィール

神戸市出身。同志社大学英文科卒業後、神戸新聞社会部で10年間勤務後、アメリカ・シアトルのワシントン大学政治学科卒。1980年から富山県砺波市自宅にて、ご夫妻で英語と数学の塾を36年間営み「英語といえば安念塾」といわれ、医師や教師、法曹界などに多くの卒業生を輩出する。今もご夫妻の人柄を慕って訪ねる卒業生があとをたたない。2012年から2016年、県教育ネットワークの理事長。2013年より、自宅で砺波市のひとり親家庭の無料教室を続けながら、2016年、共笑基金を設立。経済的に塾に通うことが難しい富山県下の中学3年生に向けて通塾支援を行っている。

 

 

 

どんな子も、塾に通えば、必ず伸びていく

 

 

──すべての子が学ぶ喜びを知って、明るい未来を思い描いて欲しい。経済的理由で塾に通いたくても通えない子ども達を支援しようと、2016年1月、安念正義さんによって設立された「共笑基金」。支援の対象は、年収200万円以下のひとり親家庭や生活保護受給世帯などに該当する中学3年生で、4月から高校受験の月までの塾の費用(月に2万円分)と、模擬試験の受験料(2万4600円)を、お金ではなく教育バウチャー(利用券)という形で、基金から無償で提供しています。

 

現在、富山県内の27教室の塾が基金の理念に賛同、協力を申し出ており、生徒はそのなかから希望する教室で学ぶことができます。あらかじめ生徒と保護者、塾の先生、安念先生の4人で面談をして、本人の意欲や希望を確認して応援しているそうです。

 

設立四年目となる2019年度は、10人の支援の枠があり、ただいま2019年の支援希望の生徒を募集しています。

 

 

 

「おかげさまで、共笑基金も今年で3年目を迎えました。基金を設立した初年度は4人、2年目は7人、これまでに、男女あわせて11人が基金を活用して目標の高校に進学できました」と笑顔で、丁寧な文字で書かれたお礼状を前に話すのは、共笑基金代表の安念正義さん。 これまでに砺波市や富山市をはじめ富山全域から基金を受けたいという希望があり、今年も、2名の中学3年生が高校受験に向けて頑張っています。

 

 

―――安念先生は、砺波市のご自宅で36年間、中学生高校生向けに英語と数学の塾を開いていらっしゃいましたが、どのようなきっかけで共笑基金を設立されたのでしょうか?

 


安念先生  座敷に座卓の寺子屋みたいな塾でしたが、中学から高校卒業までの6年間、途中でやめる子は、ほとんどいませんでしたね。どの子もその子なりに確実に伸びていきました。70歳を迎えたときに思ったことは、今まで安定して生活してこられたのは、地域や子どもたちのおかげ。まだまだ気力や体力もある、これからは何か別の形で恩返しや社会貢献をしていきたいということでした。でも塾をいちどきに全部やめてしまうと、今、通っている子たちが困ってしまう。新規の生徒募集は停止して、最後の塾生が大学受験を終えて無事に卒塾するのを見届け、あいた時間の枠で、砺波市のひとり親家庭の中学3年生に無料で勉強をみてあげていました。

 

 

 

―――子ども達のおかげで続けてこれたという、感謝のお気持ちから始められたのですね。

 

 

 

安念先生 今まで勉強の習慣づけがなかったので、中学生の方程式でも、小学生の九九の段階でつまずいている。「小学3年生に戻ってやり直さなあかんで」と言ったら、「先生、いま九九は2年からやよ」と返してきて「余計、悪いわ」ってお互いに笑いあったりね。でも、わかり出したら勉強が面白い。点が取れだしたら笑顔で「僕って天才かも!」と喜ぶ。いきいきと子どもたちが変わっていく姿が、ほんとに嬉しくてね。どんな子も、学習の機会に恵まれれば、塾で学べば、必ずその子なりに伸びる。これは40年近くの経験からの、僕の信条です。

 

 

 

―――人は出会いによって人生が変わると言われていますが、成長期に、安念先生のような熱意のある志の高い先生に導かれたお子さんたちは、かけがえのない経験ができたと思います。無料教室のなかで芽生えた気持ちが、共笑基金設立へと向かわれたのでしょうか。

 

 

 

安念先生  ささやかな取り組みでも基金という形にすれば、より多くの県下全体の子どもたちを支援できるのではと思いました。勉強に集中することも、ままならない家庭環境のなかで、塾で学び勉強したいという意欲のある子もいます。「個人の問題」ではなく、「社会の問題」としてとらえることで、そういう子どもたちを支えることができれば、その子たちが大人になり社会人として税金を納め次の世代に還元できると思い、2016年1月、皆で共に笑顔になろうという願いをこめて「共笑基金」を立ち上げました。

 

 

 

―――これまでに、どのようなことが大変でしたでしょうか。

 

 

 

 

安念先生  立ち上げ当時は、手持ちの資金だけでは充分ではなく、来春までは資金集めに奔走しようと覚悟していました。でも、何としても、必要としてくれる人の期待にこたえたい。寄付をお願いするため、いくつもの企業に飛び込み営業も行いましたが、個人ということもあって、ほとんど思うような返事がもらえませんでした。存在を知ってもらおうとホームページやロゴマークを手作りして、県政記者クラブに乗り込んだかいあって、新聞やテレビで大きく報道していただきました。

 

 

 

 

(2017年朝日新聞掲載、他にも北日本新聞、北陸中日新聞、北國新聞、毎日新聞、読売新聞などや、KNBテレビで紹介されました。)

 

 

 

―――設立してどのくらいで、支援をスタートできたのでしょうか。

 

 

安念先生 新聞に掲載されてから、全く名前も住所も知らない人から「中学の時、本当は自分も塾に行きたかったけど、生活費を稼ぐだけで精一杯の母親を見ていると言い出せなかった。こんな組織があれば、そんな思いの子どもがひとりでも救われます。社会人になったから、少しですが協力したい」とお電話があったり、母親を亡くされた人から「母もがんばっている人が好きだったから」という有難いお申し出もありました。

 

 

また、80代になる安念塾の卒業生の保護者の方からも「子と孫の恩師に、ぜひ協力したい」と、100万円のご寄付もいただきました。皆さまのおかげで資金のめどがたち、予定より早いスピードの設立2か月で、生徒への支援を開始することができました。さらにその年の9月に読売新聞では全国版の「顔」欄でも取り上げていただいたおかげで、札幌、千葉、東京、川崎、大阪、神戸などからもご支援の申し込みがあり、未だに支援していただいています。

 

 

私事ですが、生前、「お前には壱銭も残せへんけど、共笑基金には寄付するわ」と言っていた高齢の姉が亡くなったときに、共笑基金の口座に150万円振り込むようにと、遺志を残してくれていたことも、あとになって知りました。

 

 

 

 

――お話、心に感じ入ります。安念先生の熱意や、生徒さんや保護者の方たちからの、今までの信頼の厚さのたまものですね。小さい頃は、どのようなご家庭だったのでしょうか。

 

 

 

 

安念先生  僕の実家は神戸の商家でしたが、母親が夏と暮れには必ず、どこかの施設にふとん等を寄付していました。貧乏な家でも(笑)小さい頃から母親が人のために何かをしていたという刷り込みがあったのかもしれません。

 

 

 

―――人に喜んでいただくことが、自分の喜びになるという教育が自然と培われたのですね。子育てを頑張っていらっしゃるおかあさん世代の方に向けて、なにかメッセージをお願いしてもよろしいでしょうか?

 

 

 

 

安念先生  When it rains ,lookfor rainbows (it takes both rain and sunshine to make a rainbow)  When it`s dark,look for stars.
 
「雨が降ったら、虹を探そう(雨のち晴れで、虹ができる) 暗闇に包まれたら、星を探そう」

 

 

このような気持ちで、僕も共笑基金をやっていきたいと思っています。

 

 

 

 

 

いちばんでなくてええんやよ、がんばったといえる自分にならなあかんよ

 

 

―――安念先生のもとには、共笑基金を利用されたお子さんや保護者の方からの、お礼のお手紙がたくさん届いていますので、一部、ご紹介させていただこうと思います。

 

 

 

 

 

 

〇勉強のやり方がわからなくて誰にも聞けず、わからないままになることがよくありました。友達は進学塾に通っていましたが、私の家庭では不安でしたが、共笑基金のことを知って、ほかの人と同じように進学塾に行けたのがうれしかった。

 

 

 

○はじめて塾に行かせてもらった時は緊張しました。でも、先生がすごく和やかで親し見やすかった。英語も基本の中学1年生から順に教えてくださいました。鉛筆の持ち方や人として大切なことをたくさん教えてくださいました。

 

 

 

〇私は共笑基金を受けさせていただいて、塾に通うことができ、そのおかげで商業高校に合格することができました。在学している間にできることを増やしてそれを生かした仕事に就いて、母の助け・支えになりたいと思います。

 

 

 

〇(おかあさんからのお手紙です)娘がダラダラしそうなときには安念先生の「いちばんじゃなくてええんよ、ただがんばったといえる自分でおらなあかんよ」を思い出して机に向かうのだそうです。逆に疲れてきた時には面接の折の帰りに玄関にて抱きしめて「大丈夫、大丈夫、気持ちを軽くいきましょう」とほほえんでくださった奥様先生のぬくもりを思い出すそうです。

 

 

 

〇県立高校は少し厳しいと言われていたのに、塾に通って成績があがったのは共笑基金のおかげです。

 

 

 

 

 

〇今まで、勉強できる環境を与えてくださって、ありがとうございました。安念さんのご協力のおかげで、私は無事、第1志望していた高校に合格することができました。

 

 

○中学3学年に進級して、志望校選択をしていた頃からは想像もつかなかった念願の志望高校合格を果たしました。

 

 

○僕は塾に入ってからは、成績も上がり、共笑基金さんのおかげでとても助かりました。志望校も職業科から普通科に行けるようになり、進路の範囲が広くなりました。

 

 

○高校に受かってとてもうれしいけれど、ここで終わりではなく、まだまだこれからだと思っています。自分がどこまでいけるのかチャレンジしていきたいです。共笑基金の皆さん、塾の先生、そしておかあさん。温かい人たちにめぐまれてとても幸せです。本当にありがとうございました。

 

 

 

 

──こうやって、お礼の手紙を書いてくださるのは嬉しいですね。また、感謝の気持ちを、きちんと伝えられるお子さんたちも素晴らしいと思います。たくさんのお手紙から、自分の可能性が開いていくことへの、喜びのエネルギーを感じます。
 

 

 

 

引き続きのご支援を、心からお願いします

 

 

──2016年はクラウドファンデイングのレデイ・フォーにもご参加され、154%達成の30万9000円が集まりましたね。これからの、共笑基金のビジョンを教えてください。

 

 

 

 

 

安念先生 クラウドファンデイングは、勉強して挑戦してみました。皆さまの協力のおかげです。ほんとうは資金さえあれば、小学生から大学生まで、すべての段階で子どもたちをサポートしていきたいのですが、まずはこの共笑基金の灯が消えないよう続けていきたいので、おひとりでも多くの方にこの基金の存在を知っていただけるだけでも励みになります。お知り合いの方にこのプロジェクトを拡散していただけるよう今一度ご協力いただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

──2017年、塾選び富山代表の早水も、「とやまビジネスプランコンテスト」で最優秀賞を受賞したときの賞金の一部を、共笑基金に寄付させていただきました。塾選び富山としても、共笑基金を一緒に応援して参りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

共笑基金の行っていることは、誰しも本来、持っている可能性に目を向け引き出し、より多様性のある社会、ダイバーシティの未来を創っていく活動だと思います。まだ共笑基金の活動を知らない必要とする人、いままで、共笑基金の活動を知らなかった人たちを結び付けるためにも、拡散やできる範囲でのご支援をお願いします。

 

 

 

共笑基金では2019年度の支援希望の生徒を募集しています。

サポーターのお申し込みやお問い合わせについて

 

電話  0763ー32ー5283  

    安念正義

    egao.tomoe@email.plala.or.jp

 

☆個人一口500円以上  法人1口3000円以上から、支援できます。

☆人生の節目の記念日寄付、月ワンコインキャンペーンも実施しています。

☆基金に役立てるための、古本も受け付けています。

 

共笑基金の詳細については、下記のホームページをごらんください。

寄付についても、ホームページからお申し込みができます。

共笑基金 ホームページ


 

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written by スタッフ風谷

 

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