【苦手な国語の克服法】
「国語ってどんな勉強をすればいいんですか?」という質問を生徒や御父母からよく受けます。試験で一番良く出る「評論文」を例に説明しましょう。
評論文は小学校では説明文・中学校では論説文などと呼ばれていますが、要するに現代日本の課題に対する筆者の考え方を筋道立てて述べた文章」です。その文章で問われるのは3つの力です。まず漢字・語句の意味などの言葉の「知識力」、次に傍線の前後関係を把握する「文脈力」、そして文章全体の結果を見抜く「論理力」です。ここでは文章の読解問題で特に「文脈力」と「論理力」に絞って問題の解き方を考えてみます。
1.「文脈力」(部分をつかむ)
文脈力とは、語と語、文と文、段落と段落の関係を解明する力のことです。それらの関係は文中の「指示語」や「接続語」によって示されますから、文章を読むときは必ず印をつけましょう。また文末表現にも注意を払ってください。その文が「否定」か「肯定」か「プラス」か「マイナス」か、などは文末に表現されます。重要な文は「肯定文」や「プラスの文」の方です。傍線を引いて問われるのはその部分の理由か内容説明です。こうした設問は文章の全体を問うものではなく、部分的な前後関係を問うものですから答えの部分はたいてい傍線の近くにあります。まずは傍線の周辺から探し出して、自分でここだと思う所に線を引いてください。設問が選択式の場合は、自分が線を引いた部分と選択肢の文がイコールかどうかチェックして、間違っている選択肢を消去していけばよいのです。設問が記述式であれば、自分で文中に引いた線の中から答えとして合う部分を選び、それを少し変形して設問の条件に合うように記述してください。
2.「論理力」(全体をつかむ)
論理力とは語と語、文と文、段落と段落の関係を次の3つの関係に置き換える力のことです。まずは「対比」(前後関係が対照的または逆接的)、次に「類比」(前後関係が同じ内容の繰り返し)、そして「因果」(前後関係が原因と結果の関係)です。表現が違っていても文や段落がこれらの3つの中のどの関係になるかを見抜く力があるかどうかが問われます。しかし文意が長いと設問は意味段落(形式段落が意味のつながりでまとまったもの)ごとに問題が出題されることになります。その際は「指示語」・「接続語」・「文末表現」に注目して、段落と段屋の関係が「対比」か「類比」か「因果」か、と分析することです。またそれぞれの段落や部分が結論ではなく、「筆者の体験や他者の引用などの具体例」にすぎないかどうかを判断することも大切な作業です。一番最後の意味段落中に筆者の意見(一つの文章にーつしかありません)がありますので、結論にあたる部分を正確に指摘できるかどうかが最も論理力が問われるところです。筆者の言葉にひたすら素直に耳を傾けていけば正確な結論にたどり着けます。 皆さんもぜひ、試してみてください。