最近は一時の猛暑に比べて、随分と涼しく過ごしやすくなりましたね。以前の暑い日には、よく教室周辺に打ち水をしたものです。ところで、打ち水をすると涼しくなるのは、なぜでしょう?
打ち水によって涼しくなるのは、水が蒸発するときに地面の熱を奪うからです。液体が気体に変化するときに奪う熱を、気化熱または蒸発熱といいます。液体である水が、気体である水蒸気に変化するときも熱を奪います。
水が散布された表面は温度の低い水が覆い、また、水が蒸発することによって道路やアスファルト面の温度が下がります。条件によっては地表面温度が10℃以上下がる場合もあります。地表面の温度が低下すると、気温も低下しますが、地表面の温度の低下ほど大きくなく、せいぜい1℃程度と言われています。
ただし、打ち水によって道路やアスファルトの表面は湿って黒くなるので、日射の反射率も低下し、地表面からの太陽の照り返しや赤外放射が減少します。気温の低下は僅かですが、地表面の温度が大きく低下し、太陽の照り返しや赤外放射の減少の影響が大きいので、体感的には涼しく感じられます。