高校数学の授業をしていると、「公式は覚えているのに、問題が解けない」という状況が、生徒さんの方でよく起きます。
おそらくその原因は、
・どのように使われるかを把握していない
・どのような場面で、その公式が必要になるかを理解していない
の2つあると考えられます。
(一見似ていますが、前者は「How」、後者は「When」ですね)
これらを解決するのに大事なのは、「例」です。
私事ですが、大学時代は理学部で、一応数学を専攻しておりました。
工学部では比較的実践的な内容を学ぶのに対して、理学部では理論を中心に学ぶことが多く、
「自分は果たして理解できているのか?」と思うことは、茶飯事でした。
それは、大学の授業で実践例を学ぶ機会が少なかったからです。
理解が怪しい場合は、大学の図書館で例が載っている参考書を探し、理解する努力をしていました。
やはり、例があると理解が進むので、大学時代ですでに、「例」の重要さというのは十分に実感していました。
それは現在でも意識しており、私は高校生の数学や物理、あるいは中学生の数学や英語の授業を担当することがあるのですが、どの教科も、説明が終わった後、ほとんど必ず「例」を紹介するようにしています。
実際、「どのように使うか」を見せてしまえば、生徒さんの手もすぐ動くことが多く、積極的に取り組んでくれます。
また、例をたくさん知っておくことで、「あの時にこの解法を使ったな」「この時にもこの解法を使ったな」という記憶が残ります。
それが蓄積されると、2つ目に挙げた「どのような場面で」の課題が、解消されます。
ただ単語や文法、あるいは公式や解法だけを覚えるのではなく、その単語や文法が使われた例文、あるいはその公式や解法を使った例題も、必ず記憶に留める習慣をつけましょう。