国語という科目は、軽視されがちです。しかし、国語は全ての勉強の基礎と言われる程重要な科目であり、しっかり学習しておかなければ、中学・高校と勉強で苦労させられます。最悪の場合ですと、勉強についていけないという事もあります。
では何故、国語の学習不足で勉強についていけなくなるのでしょうか?理由は、算数も英語も、難しくなるにつれ、国語力を必要とするからです。
算数や英語は、差のつきやすい教科です。勉強した子としない子の差が、大きいことが特徴です。しかし、やれば誰でも出来るようになるという事も特徴です。差は大きくても、追いつくのも早いというのが、算数・英語なのです。しかし、それも小学校までの事です。
例えば算数ですと、算数から数学に変わる頃がターニングポイントになります。中学校の数学からは、文字が使用されるようになり、複雑になります。すると、それまでは感覚で解けていた問題も、急に解けなくなります。そして、次のような問題で国語力も必要となります。
ある数xの3倍に20をたした数は,xに3を足して5倍にした数と等しくなります。ある数xを求めなさい。
よく読めば、簡単です。しかし、国語が苦手な子にとっては難問です。式を作ってしまえば解けるのですが、読解力がないため、その式が作れず解けないのです。これは数学だけでなく、他の科目でも起きる事です。ですから、まず最初に国語を出来るようにしなければなりません。
しかし、国語の成績をあげる事は、大変難しいです。漢字の書き取り等は、練習すれば誰でもすぐ出来るようになります。しかし、読みとる力・書く力は、なかなか出来るようにはなりません。ですから、小学校の高学年で、『国語が弱い』は、危険です。近い将来、確実に勉強でつまずきます。そのため、国語は低学年の早い時期に、得意教科にしておく必要があります。しかし、それは漢字の練習やプリント学習では身につきません。読書だけでも駄目です。実際に文章を読み、文を書く中で初めて身についていくのです。
『うちの子は大丈夫』と思うかもしれませんが、注意して下さい。国語力の有無は低学年のうちはわかりにくく、ですが大きな差がついています。国語は、日常生活の中で使われているため、話す・聞く・読む・書く・の4技能は誰でもそれなりに出来ます。一見、あまり差がないようにも見えますが、実は低学年のうちに大きな差となっています。それは、語彙力等に表れます。同じ小学校低学年の生徒でも、簡単な語彙しか使わない子と、比較的高度な語彙を使う子がいます。どちらの語彙でも、日常生活を行うのに不便はないので、その差は小さく見えますが、それは氷山の一角で、それまでの読書等の量と質の差を物語っています。そして、高学年になったときにはっきり出てきますが、それでは遅いのです。小学校低学年のうちに楽しく国語力をつけておくことが大切です。