自分に非があるとか、間違いを素直に認めるというのは大人でもなかなか難しいものです。しかし、人のせいにしたり、間違いを認めないのは、良くないことだということは何となく分かっていると思います。では、なぜ良くないことなのでしょうか?
人は自分のことなら、何とか改善し、そして向上することが出来ます。しかし、人のことを変えたり自分の思うようにしようとしたりするのは、自分に注ぐ力の倍以上の労力がいります。例えば、テストの結果が悪かったA君の言い訳を見てみましょう。
「部活が忙しくて勉強時間があまり取れなかったなぁ。」
「○○先生の授業は分かりにくいんだよなぁ。」
「○○先生の作るテストは癖があって、解きにくいんだよなぁ。」
一見、テストの反省しているように思えます。しかし、右の3つの理由では改善しようがないことに気づきましたか??
「部活が忙しい。」
⇒A君が努力しても部活の時間が減るわけではない。
「○○先生の授業は分かりにくい。」
⇒A君が努力しても、担当の先生が変わるわけではない。そもそも、A君と同じクラスの人全員が、成績が悪いわけではないはず。
「○○先生のテストは癖がある。」
⇒A君が努力してもテストをつくる先生を、変えることは出来ない。
もしかすると、成績が悪かったのは本当にA君の責任ではないかもしれません。しかし、A君が努力したところで変わらないものに力を注ぐよりは違う考え方をした方が、次への向上につながるのではないでしょうか?
例えば...
「部活が忙しい」
⇒部活が終わってまっすぐ帰る。同じ部活の子にいつ勉強しているか聞く。
「授業が分かりにくい。」
⇒分からないところを質問に行く。
「テストは癖がある。」
⇒どういう問題が出ているか、過去のテストから考えてみる。
『自分が出来ることは何なのか?』を考えると、改善しやすくなります。何か反省することがあるとき、上手くいかないことがあるとき等は、原因を外に求めがちになりますが、まずは自分の中で何か改善できることがないか、自分の努力で何とかなることはないかを考えてみましょう。