今日は、CHI ACADEMYが提唱する『自分らしい英語』-アイデンティティイングリッシュについてお話します。
中学生のころから英語が大好きだった私は、よく外国語指導助手(ALT)の先生と会話をするようにしていました。当時担当してくれていたアメリカ人のトレイシー先生は、とても美しく控えめで清楚な感じの女性です。いつも可愛らしいふわりとしたワンピースや、淡い色のカーディガンなどという上品な服装でした。もともと日本が好きだった彼女は日本語にも興味を持ち、私たちの話す言葉やフレーズを真似して使っていました。
ある日、給食を食べる時間になり、みんなでランチルームに向かっているときのことです。トレイシー先生も私たちの列に並んでいました。いつものようにみんなで彼女を囲んで雑談をしていると突然彼女が大きな声で言いました。『ア~、ハラヘッタ~ッ!!』
その日の彼女の服装も普段通り上品な小花柄のワンピースで、そのチグハグ感がなんともおかしかったことを今でも鮮明に覚えています(笑)。
『言語を身につける』とはどのようなことでしょうか。
私も大学時代、トレイシー先生と同じような状況に陥りました。
日本語を話すときの私は早口で、冗談が好きで、皮肉や嫌味も上等です。しかし第二言語でそれらを醸し出すのは至難でした。本来の自分の性格の『らしさ』がどこにも表現できないまま悩み苦しんだ時代を経てきました。例えば『すばらしい!』という形容詞一つとってみても、fabulous!を使うのはおしゃれな女性、awesome!は若者風、brilliant!イギリス人と勘違いされる…などなどそれぞれの言葉にカラーがあります。話すたびに人に尋ねながら、また自分自身で辞書や他者の会話を探りながら、どうにかして英語という言語を髙橋知春の血肉にしたいという一心でした。
日本語を話すときの私と、英語を話すときの私は同じでなくちゃ!
つまり、アイデンティティ;自我同一性を求めていたのです。
ファシリテイターとなった現在、授業の中で生徒が英語で何かを書いたり話したりする際、『その人らしさ』がしっかりと表に出るような指導を心がけています。例えば、お茶目で人懐っこいタイプの生徒が、とても堅苦しい学術論のような文面を書いていたならば、『これ、あなたっぽくないよね。こんな言葉、日本語でも使わないでしょ?』などと修正を入れます。言いたいことを辞書機能で調べて、さらりと英語にするのも悪くはないでしょう。しかし言葉の中にその人のアイデンティティが組み込まれることで、ぐっと言語クオリティが上がり、真のコミュニケーションが成り立つと思うのです。
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3月の9日、16日、23日 土曜日
ぜひご都合のよろしい日にお越しください(#^.^#)