英語学習において単語やフレーズを覚えるのが苦手だと感じている人はたくさんいます。
『検定試験に合格するために語彙力が必要なのになかなか覚えられない』
『何度練習しても忘れてしまって身につかない』
『いったん覚えているのにテストの時にはもう記憶にない』
などなど皆さん四苦八苦されているようです。
英単語やイディオム表現などを習得する際どのようにされていますか?と質問すると大概の場合、
『何度もノートに書いています!』という答えが返ってきます。
なるほど。何度もノートに書き連ねることで頭に単語を染み付かせて、忘れないようにするというロジックなのでしょう。わたしも中学生の頃は、とにかくノートの罫線の狭間にびっしりと美しく並ぶ英単語たちにうっとり満足していました。しかし実はこのようなやり方はあまり効率的とは言えません。
脳内の記憶を司るエリアには短期記憶と長期記憶があります。短期だと記憶を保持していられるのはおよそ数十秒から数十分。一方、長期記憶は半永久的にその記憶を保つ機能を持っています。つまり短期記憶だと、手がツリそうになりながら一生懸命書いた英単語たちも、数時間後には忘却の彼方へ…。なんとももったいないのです。
そこで今日は髙橋知春流 英単語やイディオムを長期記憶の引き出しにしまって、必要な時に取り出せる効率的な英単語習得方法を伝授します。
1)一つ一つの言葉としっかり向き合って対話をしながら自分の中に取り込んでいくことが大切です。そのためには縦、横、斜め、罫線からはみ出そうと関係のない、いわば落書き帳のようなスペースが必要です。どうか自分の考えていることや感情をそのままノートに張り付けるような気持ちで自由に書き添えていってください。
例えば、uncomfortableという単語を目の前にして『え~、長い!』『あ!unがついてる!否定かな?』『comfortableが心地よいだから…心地よくない?うーわからん。調べてみよう』などなど湧いてきた言葉をそのままその単語のそばに書いていきます。色ペンを使ったり、その単語をイラストで表現するのもよいでしょう。そんな風に楽しみながら新しく出会った単語やフレーズを消化していくことで、それらを自分のものにしていきます。
2)その単語に関連する言葉をできるだけ多く調べて書き留めることが大切です。この単語の形容詞は何だろう? mentをつけたら名詞になるんだ~。同義語、対義語を調べてみよう。などなど。その単語により多くの側面から触れるということがその単語を記憶に強く印象付けることにつながるでしょう。
3)インプット―アウトプットの連動性です。言語習得に不可欠なのは『取り入れたら出す』ことです。四技能のうちアウトプットは『書く』ことと『話す』ことです。調べた単語を使って実際に文章を書く。イディオムや英文を実際に会話の中で使ってみる。このような活動が必要なのです。また、文章を作る際、自分に身近な人や物を取り入れるとその単語やフレーズを思い出す際の強い糸口になってくれるでしょう。
一見時間がかかって面倒だなあ、と思うかもしれませんが、何十個もの英単語をひたすら書いて数時間後にはすべて忘れてしまうよりも、数個の単語を確実に長期的に覚えているほうが効率が良いかもしれませんよ。
ぜひ試してみてくださいね。