
「学習計画をたててがんばっているのに、成績が上がらない。どうして?」
「勉強する時間がたりない…!効率的に勉強する方法はない?」
勉強しているのに結果につながらないと悩んでいる受験生や親御さん、いらっしゃるのではないでしょうか?
努力しているのに成績が上がらないと感じるなら、もしかしたら勉強する準備ができていないのかもしれません。
闇雲に勉強するのでなく、適切な勉強法を学んで効果的な成績UPを目指しませんか?
数々の勉強法を紹介する本『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』には、勉強を始める前には自分を主観的・客観的に知ることが大切だと書かれています。
本書で紹介されている、勉強前に作るべき「受験マトリックス」の作り方と、マトリックスを利用した勉強法をご紹介します!
『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』の著者は、「チームドラゴン桜」です。
「ドラゴン桜」と聞いて、漫画やドラマを見たことがあるかたならご存知かもしれませんね。
漫画『ドラゴン桜』とは、桜木先生と高校3年生が多種多様な勉強法を駆使してたった1年間で東大合格を目指すストーリーです。
『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』には、「チームドラゴン桜」が開発した数多くの結果を出す勉強法が紹介されていますよ。
次章で紹介する「受験マトリックス」は、勉強をはじめる前の準備段階で行うテクニックです。
「受験マトリックス」を作ることで、自分にとって最適な勉強法を知ることができますよ。
「受験マトリックス」とは、いわば自分を知る方法です。
「英語は得意だけど、英作文は微妙…」「古文の問題は苦手だけど、テストの点数は悪くないんだよね」など、自分の得意・不得意を「なんとなく」認識していませんか?
模試やテストを受ければ、客観的な成績を知ることができますが、「受験マトリックス」はその要素に「自分の主観」を含めます。
客観的な成績に主観、すなわち「好き」「嫌い」を加えて分類することで、分類された教科や単元に対する適切な勉強法が見えてきます。
次節では、「受験マトリックス」の作り方を説明しますね。
(1)縦に「得意」「苦手」、横に「好き」「嫌い」と書いた図を作ります。
図ができたら、自分の成績が客観的に分かる資料と付箋を用意してください。
(『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』より筆者作成)
(2)「受験マトリックス」の「好き」「嫌い」の軸は感情で考え、「得意・苦手」は模試やテストの結果など、客観的なデータを使って決めます。
例しに、英語の単元について「受験マトリックス」を作ってみます。
付箋を用意し、英語の「リスニングは好きだけど、点数は取れなかった」という場合、「リスニング」の付箋を、「好き×苦手」の場所に貼ります。
「長文は嫌いだけど、点数はとれている」という場合は「嫌い×得意」の場所に貼ります。
「〇○は好き。点数もとれている」という場合は「好き×得意」に、「□□は苦手。点数もとれない」なら「嫌い×苦手」に付箋を貼ります。
(3)作業を続けると「好き×得意」「好き×苦手」「嫌い×得意」「嫌い×苦手」の4つに分類することができます。
『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』では、各分類それぞれに対応する勉強法が紹介されます。
つまりマトリクスで分類を行うことではじめて、適切な勉強計画をたてて、勉強をし始めることができるというわけなのです(「好き×得意」はその分野に苦手意識がなく、点数もとれているので「対策不要」となります)。
『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』では、残りの3種類「好き×苦手」「嫌い×得意」「嫌い×苦手」に対して、効果的な勉強法が紹介されていますよ。
次章では、成績UP効果が一番高いという「好き×苦手」の対策をご紹介します。
「今日は2時間、社会の教科をがんばる!」という勉強計画をたてたことはありませんか?
勉強するときに、あいまいな「がんばる」ことを目標化してしまうと、なかなか結果が出ないことがあります。
結果につながる努力をするためには、努力の先にある目的を考えることが大切です。
例えば、「今日は2時間勉強する!」という目標をたててしまうと、2時間いろいろな参考書を眺めて終わってしまうことにもなりかねません。
そうではなく、「この2時間はテスト範囲○○の問題を解けるようになるための時間にしよう」と目的を意識して勉強します。
あいまいな「がんばる」をやめて、「何のために、何をするか」に注目して目的を作ることが大切です。
とはいえ「目的」を決めても、「どんなふうに勉強をすすめたらいいの?」と思うかもしれませんね。
そこで次は、設定した目的を「分解」します。
たとえば、「この2時間で数学の連立方程式の問題が解けるようになる」を目的にするとします。
これを分解するなら、ひとまず「連立方程式の解き方を理解する」「連立方程式の計算問題を解けるようになる」「連立方程式の文章題を解けるようになる」というところでしょうか。
課題を分解し、細分化された課題それぞれに対応策を練っていくというわけです。
ただ、「分解すること自体が難しい」ということもあると思います。
そんなときは模試やテストの成績表を参考に、単元の分類法を調べてみて下さい。
また、問題の難易度にも注目してみてください。
基礎的な問題が解けているのか、難しい問題は解けているかどうかなど、極力細かく分解することが大切です。
次に、「目的」から「目標」を作ります。
「目的と目標ってどう違うの?」と思うかたもいらっしゃるかもしれませんね。
「目的」とは、「最終的なゴール」であり、「英文法を覚える」などが当てはまります。
一方「目標」は、目的にたどり着くためにたてる「行動」のことを言います。
「英文法を覚えるために、問題集を2ページ解く」「長文読解の力をつけるために、毎日英文を1ページ読む」という感じで、数字での目標を作ります。
目的を叶えるためのステップが目標であり、目標が明確なほど結果が出やすいです。
【「好き×苦手」の勉強法】
(1)今の自分に何が必要なのかを明らかにし、課題を分解する
(2)達成したい目的を設定する
(3)目的達成のために、どうするかを数字に落とし込んで具体的に決める
「自分が何のために(目的)、何をするのか(目標)」を意識することで、結果につながる努力をすることができますよ。
本記事では『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』で紹介された、「受験マトリックス」をもとに、勉強をやる前に行う自己分析法と、「好き×苦手」に効く学習計画の立て方についてまとめました。
がんばっているのに成績が思うように上がらないと、焦ってしまいますね。
ご紹介した「受験マトリックス」を使って自分を知ることで、最短で目的地にたどり着くための勉強方法を見つけ出すことができます。
「勉強が忙しくて、自己分析をしているひまなんて…」と思わず、時間をとってマトリックスを作ってみて下さいね。
ご紹介した『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』には、「好き×苦手」の対策のほか、「好き×得意」「嫌い×得意」「嫌い×苦手」の対策も書かれています。
ぜひ本を手に取って、自分にあった勉強法を見つけて下さいね!
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【参考文献】
チームドラゴン桜,『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』, 東洋経済新報社, 東京, 2023年。
ーーーーーこの記事を書いたのはーーーーー
稲泉 景子 (いないずみ けいこ)
子どもにぴったりの学習塾を紹介する「塾選び富山」の教育ライター。
現在、富山県で9歳男児子育て中。
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