先月末、平均気温30度を超すメキシコの都市で、大量の雹(ひょう)が降り、最大で2mも積もり、世界的なニュースとなりました。
ところで、なぜ氷のかたまりである雹が、冬ではなくこの夏場に降るのでしょう?
はじめに、雹はどこでできるかというと、積乱雲の中でできます。
地表付近が暖かく上空が冷たいときに、このたて長の積乱雲が発達します。積乱雲の中では、上昇気流がとても強いので、小さな氷の粒はなかなか下に落ちることができず、周りにある他の粒とぶつかったりくっついたりして、より大きな粒に成長します。
やがて、その直径が2㎝ぐらいになると、上昇気流がその重さを支えきれなくなり、この氷の粒が落ちてきます。
通常ですと、氷の粒は落ちてくる間にとけて雨に変わりますが、このように大きくなった氷の粒は、とけきらずに氷のまま落ちてきます。これが雹です。
冬場は地表付近も冷たく、強い上昇気流が生まれないため、積乱雲が発達せず、雹も降らないのですね。