(2014年10月の塾通信より)
もう、9、10年前の話です。中学2年生の女子がいました。学校の成績が下がってきたようです。こう告げました。「先生、この頃あんまり勉強できなくて、ヤル気がなくなったというか……」
理解力もあり、国語が得意な、活発な子です。何とか力になってやりたいと思って、アドバイスを考えました。2年生後半の成績は内申書に直結します。一週間ほど考えて、出した私の結論、アドバイスは「まず、朝早く起きなさい。別に勉強しなくていいから、ボーッとしててもいいから、5時半には起きなさい。無理矢理でいいから、とにかく起きなさい。それで次の定期テストで成績が下がったら、効果ナイと思ってやめていいから、次のテストまでの一と月半、必ずやりなさい」でした。
時々確かめました。「朝早く、起きてる?」「ハイ」これを何回か繰り返しました。
それで、どうなったと思います?次のテスト。
はい、あなたの予想通りです。この生徒は、次のテストで370点ぐらいから430点ぐらいに上がりました。以下が、この子の感想です。
「最初は無理かなって思ったけど、3〜4日で慣れました。できないんじゃないかって最初から思うとダメで、何とかヤルんだと思ったらできました。学校の授業も全然眠くなかったです。朝も勉強しなくてもいいと思うと、逆に、時間もったいないから勉強しようと考えるようになって、結局すっごく勉強するようになりました」
この子はその後、第一志望の富山高校へ進学、大学も第一志望の神戸大学国際文化学部に進学、国家公務員試験にも合格しました。そしてこの春から、裁判所(大阪地裁) に勤務し始めました。
私は、あの経験が、この子を変えたと信じています。★