いよいよ県立高校の一般入試まで1か月と半分を切りました。受験生は入試本番に向けて最後の追い込みをかけていることかと思います。
私どもの生徒だけでなく、受験生の皆さんには、悔いの無いように残りの時間を精いっぱい頑張ってほしいと思います。
受験が終われば、いよいよ高校生としての勉強が始まります。現実を言えば、県立・私立に関係なく、高校の授業は中学校のようにはいきません。今の高校生には乱暴に言えば中学校の約3倍の勉強量が要求されます。当然ながら課題(ワーク)の量も3倍になります。スクールの生徒から「課題をしていたら夜が明けてきた」という話を聞くことも珍しくありません。
問題はこのことを知らずに高校生になる生徒が極めて多いということです。
文部科学省の統計によれば、ここ数年は高校中退者の数も高校中退率も年々減少していることが明らかになっています。
しかしながら高校の現場サイドからは、逆に「中退者が多くなっている」という声も聴きます。
これらは全く逆の情報です。いったいどういうことでしょうか。
「高校中退者の数も高校中退率も減少」というのは、いわゆる「統計のワナ」のようです。ここでいう高校中退者とは「高校に入学したものの、その後どの高校にも在籍していない生徒(=学校を辞めて就職したか無職の生徒)」という定義です。ということは「入学した高校と、その時点で在席している高校が違う」生徒(簡単に言えば転校した生徒)は、中退者としてカウントされていないことになります。
もう少し詳しく書けば「志望校に合格したものの、やむを得ずその高校を退学した」生徒は、多くが夜間や通信制の高校もしくは県外の高校に転校します。この場合「高校生」であることには変わりありませんので、統計上は「中退者」とはならないわけです。これが「統計のワナ」というものです。
では「志望校に入ったものの、やむを得ずその高校を退学した」生徒の数はどうでしょうか。実はこれについては統計調査が行われていないので定量的な判断ができませんが、冒頭で書いたように、現場サイドでの「増えてきている」という声を聞く限り、どうやら本当と考えて良いようです。
せっかく頑張って入った高校を辞めなくてはいけないというのは本当に寂しいことです。「学校の方針が合わない」というのであればやむを得ないと思いますが、それが「勉強についていけない」理由によるものなら、何のために一生懸命に受験勉強をしてきたのかわからなくなります。
学研CAIスクール富山本部校は、このような「勉強についていけずに退学をしてしまう生徒」を一人でも少なくするということを使命の一つとしています。
実は勉強についていけない生徒には共通点があります。一言でいえば「勉強の仕方が身についていない」ということです。
当たり前といえば当たり前ですが、高校では「勉強の仕方」が身についていることを前提として授業が行われます。すなわち高校の勉強についていくためには、中学校の間にどれだけ「勉強の仕方を身に着けるか」が重要になります。
これは「問題の解き方」ではありません。問題の解き方と勉強の仕方は似ているようですが本質は異なるものです。問題の解き方ばかりをやっていても勉強の仕方が身につくとは限りません。しかしながら多くの生徒はこの違いに気づかず「問題をたくさん解くことが勉強」と勘違いしてしまっています。
問題をたくさん解くことは確かに大事ですが、これはどちらかといえば「テクニック」です。正しい勉強の仕方は「基礎」です。学研CAIスクール富山本部校では、正しく理解するためには基礎をしっかりと身に着けたうえでテクニックを学ぶことが大事だと考えています。
「本番は入試ではなく、進学した後の勉強そのものである」
学研CAIスクール富山本部校が開校以来「勉強の仕方を勉強する」という一貫した考えをもとに学習指導をしているのは、このためなのです。