中3では多くの中学校で宇宙と地球を学習しています。
朝に東の方向から昇った太陽は、真南に来た時に一日で一番高い場所に来ます。
この時に地面を基準にして見上げる太陽の高さ(角度)のことを「南中高度」といいます(角度なんですが「高度」と言うんですね)。
この南中高度、一番で一番小さいのが冬至です。そうです。今日だったんです。
この角度はその場所の緯度が分かれば計算ができます。
計算式はこのようになります。
90°-緯度-23.4°
これで今日(冬至)の南中高度が分かります。
では富山の今日の南中高度は何度だったんでしょうか?
富山の緯度はおおよそ36.5度です。
ということは
90°-36.5°-23.4°=30.1°
そうです。今日の南中高度は30.1°です。
30°といえば、三角定規の角度の一つですよね。三角定規を地面に真南に向けて置くと、その斜辺の延長に太陽があることになります。
だいぶ低いということがわかります。
逆に太陽が一番高いのは夏至です。
この時の南中高度は以下の式で求まります。
90°-緯度+23.4°
ということは
90°-36.5°+23.4°=76.9°
かなり高いところに太陽が来るのが分かると思います。
式を見比べてみましょう。
【冬至】90°-緯度-23.4°
【夏至】90°-緯度+23.4°
23.4°のところが引くか足すかの違いになっているのが分かるかと思います。
この23.4°ってなんでしょうか?
これは地球の傾きの角度です。「地軸の傾き」といいます。地球儀の地球は軸が傾いていますよね?
その傾きが23.4°なんです。
もし地軸が傾いていなかったらどうなるでしょうか?
計算式から地軸の傾きをゼロにすればいいので、南中高度は一年を通して53.5°となります。
じつはこうなると四季がなくなっちゃうんです。
南中高度が高いということは地面が温まりやすくなるので、気温は上がります。そうです。夏です。
逆に南中高度が低いということは地面が温まりにくくなるので、気温は下がります。そうです。冬です。
夏と冬があるので、その間の春と秋が存在します。
ということは富山(というより日本のほぼ全土)は一年を通して春か秋になります。そのほうがいいじゃないか、という考えもありますが、たぶん実際はそんなにうまくはいかないと思います(多分年間を通して超巨大台風がしょっちゅう日本を襲ったりするなど、今を基準にすると超異常気象が続くとおもいます)。
まあ、こればっかりはそうなってみないと分かりませんが、もしかすると人類が生存できない環境になるかもしれませんね。
今日はせっかくの年に一度の冬至ですから、入試のための南中高度の求め方はちょっと脇において、ゆず湯に入って、そんな空想をしてみるものいいのではないでしょうか。