新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、富山県内の学校が休校となっています。
児童・生徒にはこの期間外出をしないよう、学校から指示が出ています。
勉強と一緒で、子供たちはその理由をちゃんと理解しないと、指示は守ってはくれないものです。
学研CAIスクール富山本部校ではLINEやスカイプで会員生徒から質問をライブで受け付けています。
まさにこの質問が会員生徒からありました。
「どうして外出しちゃいけないの?」もっともです。その通りです。
問題の解き方は上手に教えられても、こんな時に生徒にちゃんと理解させられないようでは教育者として失格です(なにしろ日本で唯一の「教育塾」の先生なので)。
そこで、このように答えました。
それはね、新型コロナウィルスで死んでしまう人を少しでも減らすためなんだよ。
日曜日の夜にレストランに行って、長い間待たせられてイライラしたことはない?
レストランで待たせられてもお腹がすくだけで、死ぬことはないよね。
しかし、これが病院であなたが重症の患者だったらどうする?
待つ時間が長ければ長いほど、死んでしまう確率は高くなっちゃうよね。
それを防ぐためには待ち時間を短くして、すぐに手当てをしてもらう必要があるよね。
ではどうしてレストランが混むんだと思う?
同時に多くの人がレストランに来るからだよね。
人数が多くても、それぞれバラバラの時間にレストランに来ればお店は集中することはないから、混むことはないよね。お腹をすかせてイライラすることもないよね。
まさに、今、学校が取り組んでいるのは、このことなんだ。
短い間に多くの重症者が病院に運ばれても、長時間待たせられることになるだけだよね。それだけ手当は遅れて、本来治る患者さんが死んでしまうわけ。
これを医療崩壊というのね。
ウィルスにかかりにくくなるワクチンという薬がまだできていないので、新型コロナウィルスの感染そのものを防ぐことはできないんですよ。間違いなく近い将来、県民・国民ほぼ全員が感染するのね。
感染するのは仕方ないとして、この感染を、どれだけゆっくり時間をかけて広がるようにするか、ということを学校がやっているんです。
感染は人と人が触れ合ったり、咳やくしゃみでうつることが分かっています。すなわち人と人が接触すると映る可能性が高くなるわけ。この人と人が接触するのを防ごうとしているんだよ。しかしながら人は誰かの助けがないと生きていけないわけですから、接触を防ぐことはできないんですよ。
だけど、短い期間に多くの人と接触するのではなく、同じ人数に接触するのでも長い期間をかけて接触すれば、それだけ短い時間に感染する人の数を減らすことになるよね。
そうすると重症になって病院に行っても、患者の数が少ないからちゃんと手当をしてもらえる。日本の医療はすごくレベルが高いから、ちゃんと手当てしてもらったら治りやすくなるよね。
こうすることで、少しでも新型コロナウィルスで死んでしまう人を減らすために、外出しないように言われているんだよ。
もちろん生徒はしっかり納得して、できるだけ外に出ないことを約束してくれました。
私も少しは教育者としてお役に立てたんじゃないかな、と思った瞬間でした。