ほとんどの中学校で2学期の期末テストが終わりましたね(2学期制はもう間もなく、もしくは後期の中間テストの真っ最中かと思います)。
以前この「塾選びとやま」のコラムにて記者の質問にお答えする形で内申点の点数のつけ方について説明しましたが、その元となる通知表の点数のつけ方についてもう少し詳しく教えてほしい、というご要望を複数いただきました。
なお私が公立中学校の講師という立場であることから、学校内の情報をそのままお伝えすることはできません。漏らしてしまうと地方公務員法の違反になり処罰されてしまいます(準公務員の扱いなんです)。それどころか、新聞やネットの格好のネタにされて「吊し上げ」にあってしまいます。
そこで、すでに公開となっている情報をもとに、より詳しく通知表の点数のつけ方を説明したいと思います(ありがたいことに文部科学省やその外郭団代、元教師の方がインターネット上で情報を公開してくれています)。
通知表の点数は「学校の先生がつける観点別の評価を総合的に表したもの」で、その生徒の教科ごとの到達度を示しています。
ということで、まずは、通知表の点数のもととなる「観点別評価」についてお話します。
じつは、この観点別の評価については、事実上、文部科学省によってきめられています。
文部科学省の外郭団代替である「国立教育政策研究所」が「評価規準の作成のための参考資料」というものを出していて、ここに詳しく書かれています。
学校の先生は、この参考資料を基に子供たちを各教科ごとに以下の4つ(国語は5つ)の観点から、どれくらい到達しているかを見ています。そして、その到達の程度を、それぞれ良い順にA(十分満足できる), B(おおむね満足できる), C(努力を要する)に分けて評価します。
【国・英以外の教科】
- 関心・意欲・態度
- 思考・判断・表現
- 技能
- 知識・理解
【国語】
- 関心・意欲・態度
- 話す・聞く能力
- 書く能力
- 読む能力
- 言語についての知識・理解・技能
【英語】
- 関心・意欲・態度
- 表現の能力
- 理解の能力
- 言語や文化についての知識・理解
このうち「関心・意欲・態度」は、ほとんどが提出物で決まります(これについては塾選びとやまのコラムをご覧ください)。
https://jyukuerabi.com/column/6057
残りの観点は、ほとんどが定期テストで決まります。
定期テストの解答用紙をよく見ると、ほとんどのケースで解答欄の横に「思」とか「技」とか「知」とか書いてある欄があると思います。これがその観点をみる問題になるわけです。
そうすると、採点で各観点ごとの点数が出てきますよね。
この観点ごとの点数を見て、学校の先生は「この生徒は技能は十分到達度に達しているから、技能はAだな。しかし思考・判断・表現はまったく到達点に達していないから思考・判断・表現はCだろ」と各観点ごとの評価をつけます。
例えばある学期が終わった時点での、ある生徒の評価がこのようになったとします。
- 関心・意欲・態度 (C)
- 思考・判断・表現 (A)
- 技能 (B)
- 知識・理解 (B)
この4つの観点は同じ重みを持つとして考えます(それぞれでどれが大事かという順位はつけません)。
この結果、この生徒の評価は順に「C, A, B, B」、これをアルファベット順に並び替えると「A, B, B, C」ということになります。
今度はこの評価をもとに評定を決めます。この評定というのが通知表の点数です。
これは全国一律の決まりはないものの、すでにインターネット上に公開されている情報を整理すると、ほぼこの表の通りになると思います。
評定(通知表の点数)
5 AAAA
4 AAAB, AABB, (AAAC)
3 AAAC, AABC, ABBB, BBBB, BBBC, AACC, ABCC, ABBC
2 BBCC, ABCC, BCCC, (CCCC)
1 CCCC
よく懇談会で学校の先生から「あと一つでもAがあると通知表の点数が4になるんですけどねえ」という話をされた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
この場合だと、評定が4になるためにはAAABかAABBですので、その時点でABBBということになります。
少しは疑問の解消のお役に立てたでしょうか?
これ以上の詳しい情報につきましては、ぜひ学研CAIスクール富山本部北校までお問い合わせください。
くれぐれも繰り返しますが、学校の内情については守秘義務がありますのでお伝えできません。この点は何卒ご理解をお願いいたします。