3月になりました。
県立高校入試まであと1週間あまり。
また、国公立大学の合格発表も1週間ほどで始まります。
国立大学の2次試験を終えた生徒が帰ってきました。
開口一番、「先生、失敗した・・」
「**は良かったんだけど、++で勘違いして、気がついたのが終了10分前。間に合わんかった。」
「ごめんね、先生・・」と、立て続けに語るうちに涙目になっていました。私は、何も言えず、見つめるだけ。
そして、しばらくしてボソッと「やっぱ、後期がんばる。」
この時期、時にはこんな場面を残念ながら体験します。
正直つらいです。
夏から秋、そしてクリスマス、正月と、がんばっていた姿を知るからこそ、何も言えなくなるのです。
そんな時、決まって思い出す生徒がいます。
彼は、ある私立大学にどうしても行きたいと、思いを込めていました。しかし、センター試験で大失敗をしてしまいました。
幸いその私立大学の彼が学びたいと思う学部では、あと3回受験の機会がありました。彼は挑戦しました。
しかし、2月始めの試験の発表の時、「やっぱり、あかんかった。」と彼。続く2月の終わりの時もそうでした。
しかし、彼は決してあきらめませんでした。
最後の試験に向けて、毎日、毎日、自習室の自分で決めた席に座り勉強していました。時々励ましの声をかけようと思うのですが、彼の席の周りは、なんと言うか他にはない気配を感じさせ、ためらわされたのを覚えています。
そして、3月半ばの3回目の発表のとき、ふらっと私のそばに来て、「先生、受かった」と、はにかむ様に、報告してくれた笑顔が忘れられません。
いつもこの時期になるとこの生徒が思い出されます。
だから「あきらめない心が大事なんだよ。」と私は伝えます。
その後、その彼は大学院に進み就職しました。
高校時代からのあこがれを実現していると聞いています。
今しばらくはいつも以上に生徒の話を聞いて、強く、強く、"あきらめない気持ち"を伝えたいと思っています。