「子どもの学費を効率よく貯めたい」
「投資でお金を増やせると言うけれど、損をしそうで怖い」
そんな「投資で学費を貯めてみたいけど、不安で踏み出せない」という方、多いのではないでしょうか?
こんにちは。子どもにぴったりの学習塾・個別指導塾を紹介する「塾選び富山」スタッフの山岡です。
子どもの学費は進路によっても大きく変わりますが、子ども一人が幼稚園からすべて公立校に通った場合、必要となる教育費は約1,100万円前後、すべて私立校に通った場合は約2,500万円前後になるというデータがあります。
合計するととても大きな金額になりますが、ひとまず、「高校までの費用は毎月の家計の中で捻出」し、「大きな出費が必要になるのは高校卒業年時~大学等進学時」とイメージしていただければ良いと思います。
金額は大きくても必要な時期が明確なので、子どもが小さいうちからコツコツ資金を準備していきたいですね。
今回は現役FP(ファイナンシャル・プランナー)である私が、「つみたてNISA(ニーサ)」を使って賢く学費を貯める方法をお伝えします!
「つみたてNISA」とは、「少額投資非課税(NISA)制度」のひとつです。
パッと見ると漢字が並んでいてわかりにくいのですが、要するに「少額なら税金を払わずに投資ができる制度」というわけです。
本来投資をすれば、お金を引き出す時に増えたお金に対して約20%が税金として取られるのですが、NISA制度を使うと税金を取られずに投資をすることができます。
お金を増やしたいと考えるなら、なるべく税金でお金を取られないようにしなければいけません。
NISA制度は投資を行うなら、必ず利用しておきたいおトクな制度なのです。
現在「つみたてNISA」で購入できる投資信託は、約200種類あります。
国があらかじめ長期の積立・運用に適した「販売手数料が無料で低コストの商品だけ」を厳選してくれているので安心してはじめることができますよ。
学費をためるのに「つみたてNISA」をおすすめするのは、投資初心者でも失敗しにくい仕組みになっているからです。
投資を成功に近づけるには「①長期・②分散・③積立」がキーワードになります。
①長期
「つみたてNISA」は毎年40万円を上限に投資をすることができます。
「つみたてNISA」を利用して投資し続けることで、最長20年間にわたって税金が取られずにすみます。
②分散
「つみたてNISA」で購入できる「投資信託」とは、ざっくり言ってしまうと「お金をプロに預けて資産運用してもらう金融商品」です。
国内外の株式や債券などをさまざまな割合で組み合わせた商品なので、1つの投資信託を購入することで投資の対象を分散し、値下げリスクを回避することが可能になります。
③積立
積立とは定期的に決まった金額を、貯金したり投資したりすることです。
一度にまとまったお金を投入する必要がないので、気軽にはじめることができますね。
毎回定額の資金で投資することで、投資商品の価格が安いときには多くの商品を購入し、価格が高いときには少しだけ買う方法をとることができます(ドルコスト平均法)。
このように、「つみたてNISA」は投資初心者にも始めやすいおすすめの制度ですが、注意しておきたいポイントがあります。
次章では、知っておきたい投資をする際の注意点をご紹介しますね。
先ほど「投資にまとまったお金が必要ではない」と言いましたが現金・預金などの安全資産(=減ることがない資産)を別に確保しておくことが必要です。
「つみたてNISA」はいつでも解約・換金できますが、「突然会社が倒産して仕事を失ってしまった!」などの緊急事態になったとき、タイミングによっては損をしてしまう場合があります。
投資している資産をなるべくいい時期に売却するためにも現金・預金の確保は必ずしておきましょう。
運用をプロに託していても投資に「絶対」はありません。タイミングによっては購入した時より価格が下がってしまうときがあります。
そのような「元本割れ」のリスクを絶対に取りたくないという方には投資をおすすめできません。
ただ現金・預金だけでは増えていかない現状はこれからも続きそうです。
少額から投資をはじめ、学費はもちろん、子どもの就職・結婚の資金や老後の資金などを形成するために少しずつ経験を積んでおきたいですね。
信託報酬とは、資産運用のプロに運用を任せる費用のようなものです。
年何パーセントの報酬が発生するかは金融商品ごとに異なるのですが、できるだけ信託報酬が低い商品を選ぶことも重要です。
NISA制度を使うには、金融機関で「NISA口座」を作る必要があります。
NISA口座を開設できるのは1人1口座、1金融機関です。
金融機関を選ぶときは、以下3つの項目に注目して下さい。
●購入できる投資信託が何種類あるのか(欲しい商品の取扱いがあるか)
●毎月最低いくらから投資できるのか
●毎月、毎週などの積立回数の自由度はどうなっているのか
「つみたてNISA」の口座は証券会社や銀行などで開設できますが、「楽天証券」や「SBI証券」などネット証券は取扱商品の種類が豊富ですし、手数料も安い場合が多いのでおすすめです。
※「つみたてNISAナビ」というWebサイトは金融機関を比較するのに便利です。
「つみたてNISA」はお得な制度ですが、「学費のすべてを投資で運用する」というのはあまりおすすめできません。
先ほどもお伝えしましたが、投資に「絶対」はありません。
タイミングによっては受験・進学など必要な時期に、値下がりしてしまっている場合もあります。
学費のすべてを投資で運用していると、必要な金額が足りなくなる場合もあるので避けておきたいところです。
投資には「成長性」、預金・貯金には「安全性」という良さがあります。
どちらにも一長一短がありますが、両方の良さを取り入れてみてはどうでしょう?
私は「学費のベースは預金・貯蓄で作り、プラスαとして『つみたてNISA』を組み合わせる」という折衷案が良いのではないかと考えます。
投資を成功に近づける基本は「長期・分散・積立」をコツコツ実行していくことです。
まずは10年以上の期間を想定して、途中で辞めないことを目標にしたいですね。
また「近い将来に必要なもの」を預金・貯金から出し、「10年以上の準備期間がとれるもの」を「つみたてNISA」にとそれぞれ使い分けていくといいですよ。
「つみたてNISA」を使って、お得に資産運用する方法をご紹介してきました。
「投資」と言われるとなじみがない方が多く、ちょっと怖さを感じたり、うちには関係ないと思ったりするかもしれませんね。
ですが先々に漠然としたお金の不安を感じるという方には、無理のない範囲で少しずつ投資をはじめ、経験を積んでみることをおすすめします。
実際に投資をやってみると、少しずつお金に関する「感覚」を養っていけるようになりますよ。
ーーーーこの記事を書いたのはーーーーー
山岡 加代子(やまおか かよこ)
大学生から高校生の子ども3人を育てる、現役ファイナンシャル・プランナー。日本FP協会富山支部幹事。日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー。県外出身、富山市在住。「子どもたちに生きる力を!」をモットーにお金の知恵を伝える活動中。趣味は読書とヨガとラジオ英会話を聞くこと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
参考:お金の総合サイトZAi ONLINE(ザイ・オンライン)「つみたてNISAおすすめ比較&徹底解説」ダイアモンド社