
「『片山学園初等科』、気になるけれど公立校との学費の差がどうしても気になってしまう。お金を払う価値は本当にあるの?」
「初等科では子どもに多彩な経験をさせてくれるそうだけど、実際どんなことができるの?」
そんなふうに「片山学園初等科」に対して期待と不安を感じている親御さん、いらっしゃるのではないでしょうか?
こんにちは、お子様にぴったりの学習塾・個別指導塾をご紹介する「塾選び富山」の教育ライター稲泉です。
「片山学園初等科」は今年創立7年目を迎え、昨年度末にはじめての卒業生を輩出しました。
ひとつの節目となる年に、「片山学園初等科」の校長、原本幸一(はらもとこういち)先生にこれまで行ってきた学園独自の教育やその魅力をうかがいました。
稲泉(以後、稲と表記):原本校長先生、本日はよろしくお願いします。
原本先生(以後、原と表記):よろしくお願いします。
稲:原本先生は、朗らかで教育熱心な印象の先生ですよ!
まずは原本校長先生がどういう経緯で校長に就任されたか教えていただけますか?
原:もとは、学習塾「育英センター」で中学受験を目指す小学生向けの講師をやっていました。
小学校の教員免許ももっていますし、教科は国語・算数・理科を担当していましたよ。
ですから、小学生と向き合ってきた時間はけっこう長いのです。
「片山学園中学校・高等学校」に続いていよいよ小学部を…というときに、小学生の指導経験が長い私が校長を担当することになりました。
稲:原本先生は、校長先生になる前から小学生の指導経験が豊富だったのですね。
稲:ではいよいよ、「片山学園初等科」の独自の教育について教えて下さい!
原:独自の取り組みはいくつもあるのですが…ひとつに1日の授業数が公立校と比べて1コマ多いということがあげられます(上学年の場合、週に4日7限授業)。
豊富な授業数により児童の学ぶ機会が増え、高い学力を身につけることができます。
そして増やされた1時間は、主に英語の授業にあてられます。
小学1年生のときから毎日英語学習を積み重ねることで、卒業までに高い英語力を身につけることができます。
☆英語学習については、別記事【「片山学園初等科」原本校長先生にインタビュー〈後編〉】で詳しく取りあげています。
稲:英語以外の科目の指導にも独自の教育が行われているのですか?
原:はい。「片山学園初等科」は学習塾「育英センター」が母体の学校ですから、効率よく学力を上げる指導を行っていますよ。
例えば「国語」の中に、「読書」「論理」「作文・読解」の3科目を設けて指導しています。
「読書」では、図書館で本を読む時間を作ったり、ビブリオバトル(おすすめの本を紹介する会)を開催したりしていますよ。
「論理」では、私が「育英センター」の講師をしていたときに厳選したテキストを使って言葉の仕組みを学習します。
「作文・読解」では、小さいうちから文を読み解き、書く経験を重ねることで、自分の言葉で発表する力を磨きます。
算数も同じように「思考」「計算」などに細分化し、それぞれの力を伸ばすように努めています。
稲:普段の授業で「育英センター」流の学習法を受けられるのは、保護者にとって安心材料になりそうですね。
稲:昨今注目されている、情報教育についてはどのように考えておいでですか?
(片山学園初等科webサイトより引用)
原:「片山学園初等科」では、宿題や課題の提出に、タブレットが使われています。
日ごろから、タブレットやパソコンにふれる時間が設けられていますよ。
独自のカリキュラムとして「PGP(パズル・ゲーム・プログラミング)」があり、パズルやゲームを楽しみながら、楽しくプログラミング思考を学ぶことができますよ。
ただリテラシーが未熟な子どもたちに、何でもできるようにしてしまうのは適切ではないと考えています。
「片山学園初等科」では免許制度を設けていて、「学校での機器の使い方」「家庭での使い方(保護者からの評価)」を見て、段階に応じた免許が与えられます。
高いランクの免許をとることで、少しずつ使える機能が開放されていきますよ。
稲:情報技術を無批判に取り入れるのでなく、危険性についても認識して慎重に教育しているのですね。
稲:「片山学園初等科」のブログを見ていると、お金の勉強や農業体験など独創的な授業が行われていますね。
原:子どもたちには、大人になったときに、ワクワク楽しみながら、たくましく生き抜いてほしいと考えています。
そのためにいろいろなことを体験してほしいのですが、中でも大切なこととして金融や農業を学んでほしいと考えました。
お金と農業の授業では、その道のプロである「農林中央金庫」さんに、直接児童の指導をお願いしています。
「片山学園初等科」では、「農林中央金庫」さんだけではなく、大学や企業の研究機関から講師を招いて、クリエイティブな講義をしてもらっていますよ。
稲:実際に活躍しているその道のプロから直接授業を受けられるのは、子どもにとって刺激的な時間になりそうですね。
(片山学園初等科webサイトより引用)
稲:「片山学園初等科」のイベントに「スピーチコンテスト」があると聞いています。
原:これからの時代、大勢の前で自分の考えを発表し、人を動かしていく力が大切だと考えています。
「片山学園初等科」では、秋に「英語スピーチコンテスト」が行われますし、冬には「プレゼンテーション大会」が行われます。
年間2回、人前でスピーチをする機会が設けられています。
稲:スピーチだけでも大変なのに英語でとは、驚かされます。
ちなみに人前が苦手な児童もいるのではないかと思うのですが…全員参加ですか?
原:英語スピーチコンテストは4年生以上、プレゼン大会はすべての児童に参加してもらっています。
まずはクラスでひとりひとりが発表し、クラス代表が選ばれ、クラス代表から学年代表が選ばれ、最後まで勝ち残った児童がイベントで本番のプレゼンを行います。
プレゼンテーションのテーマは、低学年が夢や希望など、自分の考えを語る機会になるのに対して、高学年は、「人を動かす」ということを視野に入れてスピーチを行ってもらっています。
稲:人前で話す貴重な体験が全員に設けられているのは、素晴らしいですね!
(英語スピーチコンテストの動画を見ることができます。動画が始まらない場合はこちらをクリックしてください)
稲:「片山学園初等科」では魅力的なアフタースクールがあるという話もうかがっています。
原:先ほども少しお話しましたが、子どもたちにはできるだけその道のプロから教わってほしいと考えています。
「片山学園初等科」には、「グラウジーズ」や「カターレ富山」などのプロから指導を受けられるアフタースクールがあります。
ほかにスポーツでは、陸上、水泳、テニスが習えますし、文科系だとそろばんや書道、料理、「玉井式国語的算数教室」を習うことができます。
「玉井式国語的算数教室」とは、育英センターで行われている物語を通じて算数と国語の力を同時に育む学習法です。
こちらは、「育英センター」から先生に来てもらっていますよ。
もちろん習い事をせずに宿題をすすめる、学童的な機能をそなえたコースもありますよ。
稲:送迎することなく、学内でハイレベルな習い事ができるのはとても魅力的ですね!
学童としての機能もあるということなので、共働きの親御さんにとってありがたいしくみだと思います。
稲:学校内の様子も、うかがいたいです。
「片山学園初等科」の先生は、児童とどのように関わっているのでしょうか?
受験では面接試験もありますし、1年生からある程度お行儀よくできないといけないのでしょうか?
原: そんなことはありませんよ。1年生は幼稚園や保育園を卒園したばかりの子どもたちですから。
小学生の6年間というのは、幼稚園で優しく育てられた子どもたちが、大人の手前である中学生になるまでの間をつなぐ期間だと考えています。
「片山学園初等科」では、下学年(1~3年生)と上学年(4~6年生)は別の組織に分かれていて、下学年・上学年それぞれに児童会が組織されています。
つまり入学してきた1年生が3年生になるときに、一旦最高学年になり、児童によっては「児童会長」をつとめるなどのリーダーを経験するというわけです。
先生たちは、下学年に対しては「園児から小学生に」というプロセスを意識して、のびのびと指導を行っています。
いっぽう上学年になったら「子どものお世話をする先生」ではなく、「教師と児童」という師弟関係を意識して接していますよ。
上学年の児童には、敬語の使い方を教えるとともに、上学年として責任をもって行動するよう伝えています。
稲:小学3年生で一旦、最上学年になってリーダーをつとめるというのは独創的ですね。
稲:「片山学園初等科」の児童の人数や出身地、通学方法を教えていただけますか。
原:学年によって多少の差はありますが、1学年約30名の少人数制で指導を行っています。
ですから、1~6年生の全校生徒あわせて200名に満たない児童数です。
出身地はだいたいですが、富山市から半分、射水市・高岡市から半分で、金沢から通っている児童もいますよ。
通学方法については、5割がスクールバスですが、その多くが「あいの風とやま鉄道」小杉駅からの短距離利用ですね。
あとは車での送迎、徒歩などです。
稲:1学年で30名とは、一人ひとりの児童がしっかり見てもらえそうですね。
(片山学園初等科webサイトより引用)
稲:PTA活動がないという話を聞いていますが、本当でしょうか?
原:はい。学校としてPTA活動はお願いしていません。
学校と家庭は、連絡用のアプリで個別につながっています。
親御さんにイベントの手伝いをお願いするときも、アプリで呼びかければ皆さん積極的に協力していただけるので、特別に組織を作る必要性はないと考えています。
昨今、PTA活動が親御さんの負担になっているという話も聞きます。
どうしても負の部分が出てしまうPTAならば、あえて作らなくてもよいのではないかと考えています。
稲:共働き家庭が多い富山県において、PTA活動がないのは大きなメリットですね。
子どもに多彩な経験と成長を与えてくれる「片山学園初等科」の魅力や独自の教育について、校長の原本先生に話をうかがいました。
「『片山学園初等科』で、具体的にどんな教育を受けられるの?」「本当に子どもを通わせる価値があるの?」と疑問を持ったことがある親御さん、多いのではないでしょうか?
お話を聞いて、「片山学園初等科」では子どもたちの英語をはじめとする学力向上だけでなく、多彩で価値の高い経験をさせてくれる学校だということがわかったのではないでしょうか。
【「片山学園初等科」原本校長先生にインタビュー〈後編〉】では、「片山学園初等科」の英語教育についての疑問、「結局どこまで英語を話せるようになるの?」という問いに率直に答えてもらっています。
「片山学園初等科」を初めて卒業した卒業生の成長についても、お話をうかがっていますので、ぜひ〈後編〉もご覧ください!
☆【「片山学園初等科」原本校長先生にインタビュー〈後編〉】はこちらからお読みください。
「『片山学園初等科』を検討しているけれど、いつごろから受験対策をすればいいい?」「面接のときの服装は?」などお悩みの親御さん、いらっしゃいませんか?
「塾選び富山」では、「片山学園初等科」の受験相談や受験指導に強い学習塾をご紹介しています。
無料・要予約にて承っておりますので、以下バナーにてご相談ください。
ーーーーーこの記事を書いたのはーーーーー
稲泉 景子 (いないずみ けいこ)
子どもにぴったりの学習塾を紹介する「塾選び富山」の教育ライター。
現在、富山県で10歳男児子育て中。
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