先日、学研本部が主催した、脳科学者の茂木健一郎博士が講師を務めるセミナーに参加してきました。「世界一受けたい授業」などで有名な先生ですので、ご存知の方も多いと思います。
「結果を引き出すポジティブ脳の使い方 ~塾におけるアクティブラーニングのすすめ~」というタイトルのセミナーです。
茂木先生は日本の現在の入試制度を強く危惧されており、このような入試が今後も続くようでは、日本の産業は確実に世界から遅れをとる、と力説されていました。
アメリカでエンジニアとして仕事をしていた私も、これには強く同感です。
具体的な例として、茂木先生が試験官役として、イギリスのケンブリッジ大学の入試の模擬試験の実演があり、私が受講生を代表してその受験生役を務めてきました。当然茂木先生とは事前打ち合わせ無しの、ぶっつけ本番です。
ケンブリッジ大学やハーバード大学などでは、日本のような入試制度はありません。その代り、試験官と受験生がテーマ(試験問題)について2時間議論し、その議論の中身で入学者を決めるそうです。
今回、茂木先生が山下に課した入試の問題は、
「植物はどうして歩かないか」
さすがに、驚きました。たしかに日本の大学の入試とはわけが違います。
しかし、ここで何らかの答えを言わなければ、模擬試験は進みません(ついでを言えば山下を選んだ学研本部の顔も立ちません)し、セミナーそのものも進みません。
10秒ほど考えて山下が答えると、その答えの根拠を茂木先生が質して、さらに新たな質問が始まり、これを繰り返して議論がどんどん広がっていくわけです。さすがに今回は2時間というわけにはいかないので、約10分程度の問答だったわけですが、茂木先生の広範囲な知識をベースにした論理的な質問攻めは、かなり答えるのが大変だった、というのが正直なところです。
欧米ではこのような勉強の仕方を、小学生の時から行っている、と先生は力説されました。知識だけではなく「考える力」の必要性を説いたわけです。
すなわち、知識を追い求める日本の学習では、社会人になった時に、考える力を養う学習を受けてきた欧米の人たちに(その流れを汲んでいる多くのアジアの国々の人たちにも)付加価値を付けるビジネスで勝てるわけがない、ということです。
これがまさに文部科学省が2020年に「アクティブ・ラーニング」を小中学校に導入する理由です。
正直に申し上げると、私が茂木先生の模擬試験で10分間答え続けていられたのは、実はこの「アクティブ・ラーニングとは何か」を以前から理解していたからであり、またエンジニアとしての仕事を通して、これを実戦で鍛えていたからです(いわゆる「QC活動」というのはアクティブ・ラーニングそのものということができます)。
学研CAIスクール富山本部校は、既にアクティブ・ラーニングの基礎として必要となるものを、日々の学習に取り入れています。既にテスト結果として効果も出始めています(我々はテストの点数のみを追い求めることはしていませんが、「理解の指標としてのテストの点数」は重視しています)。
これはきっと3年後、学校が本格的にアクティブ・ラーニングを導入した時に、役立つと確信しています。
アクティブ・ラーニングについてお知りになりたい方や、具体的に何をさせればよいかお悩みの方は、是非お気軽に学研CAIスクール富山本部校にお問い合わせください。