最近、あるベンチャー企業から依頼があって、その会社のお手伝いをすることになったんですね。「社外テクニカルアドバイザー」という肩書で。私はもともとエンジニアだったんです(当時から理科の教員免許持っているエンジニアって珍しいといわれていましたが)。
もちろんスクールで生徒を教えながらです。方程式や飽和水蒸気量なんかを教えながら、空いた時間でCADで図面を引いたり、部品を加工してもらう会社で技術的な打ち合わせをやったり。
これが実に楽しいんですよ。
製品がきちんと動くために、公差をいくつにすればよいか、重心をどう計算するか、CADを前にしてノートに計算式を書きながら、ホワイトボードにいろいろ書きながら考えています。
やっていて分かったのは、やっぱり「ウチのスクールの学習指導の仕方は間違っていなかった」ということです。
ウチのスクールは10年前から問題の解き方よりも「考える力」を身に着けさせる指導をしているんですね。理由は単純で「考える力がなければ、社会人になって役に立たない」からです。
いくら難しい問題があっても、そんなのって、もうずっと前に答えが分かっていることをやっているんですよ。そんなものの解き方をいくら覚えても、社会ではほとんど役が立たないんです。
ところが、同じ問題でも「どう考えるか」という目線から見たら「宝の山」なんですね。まったく同じ問題が、ですよ。
同じ問題でも、「解き方を覚える勉強」をするか、「考え方を身に着ける勉強」をするかでは全然結果が違うんですね。
ちなみに「解き方を覚える勉強」のことを「進学のための勉強」といいますね。それにたいして「考え方を身に着ける勉強」のことを「教育」といいます。
だって教育は社会のために施されるものですので。
10年のブランクがあってエンジニアに戻っても、全くそれを感じなかったのは、学習塾業界に転じても「考える」という一番大事なことを変えなかったからでしょうね。
いよいよ来年から学校の授業も、これまでの「問題の解き方」から「考える力」を身に着ける内容に大きく舵を切ります。
私も、引き続き「考える」ということにこだわって、しばらくはスクールでの学習指導とエンジニアの二足の草鞋を履き続けようと思っています。
あ、冬は白馬でスノボのインストラクターもしているので、二束ではなくて「三足」の草鞋でしたね。