よく「寝る暇惜しんで勉強しろ」といいますが、あれ、ダメなんですよ。
百害あって一利なし、とまでは言わないですが、トータルで見るとマイナス面の影響がはるかに多いんです。
結論から言えば、勉強の効率がメチャメチャ落ちます。
会社の仕事に例えるなら、生産性がメチャメチャ下がります。製造現場でいえば生産装置の稼働率がめっちゃ悪くなります。
さらに、免疫力もメッチャ下がります。インフルやら流行性胃腸炎やら、とにかくいろんな病気にかかりやすくなります。受験生なんて今が一番大切な時期ですから、インフルになって寝込んでしまったら、それこそ時間の無駄ですよね。
免疫力って、例えたらスマホのバッテリーのようなものなんですよ。バッテリーって充電している時しか充電されませんよね?
免疫も同じで、免疫は寝ている時しか回復しないんです。起きている間は使う一方なんですね。
スマホだって充電時間が短かったらフル充電されませんよね。それだけ使える時間が短くなるでしょ?
ということは寝る暇惜しんで勉強して睡眠時間が不足しちゃったら、人間もフル充電できないんです。
結局免疫力がフルにならないから、そのうち免疫力が下がってきちゃいます。そしてある一線を切ったら、もうウィルスを抑えることができなくなって、一気にウィルスに占領されてしまうわけです。
ウチのスクールだと、受験生の保護者には「最低7時間は睡眠を取らせるようにしてください」と説明しています。ダメ押しで「6時間以下だと受からないと思ってもらって結構です」とも言っています。そこまで言わないと、なかなか伝わらないんですね。
結局、日本って、いまだにいろんなところで精神論が幅を利かせているんです。精神論が悪いわけじゃないですが、あまりにも非科学的すぎるところがあるんじゃないか、と思っています。
今の時分、夏場の運動部の練習で「水を飲むな」なんて言って練習させているところなんて無いでしょ?「熱射病にならないようにしっかり水分を取れ」が当たり前ですよね。
ところが、ちょっと前までは「水を飲むな」だったんです。「そう言われれば、そうだった」と思い出される方も多いんじゃないでしょうか。
あの「水を飲むな」っていうのは、軍隊の訓練から来ているそうです。戦場で水が手に入らないことを想定しての訓練だったそうです。
それが訓練では水を飲まない、というのが独り歩きして、練習中も水を飲まない、という精神論になったというのが有力な説だそうです。
「寝る間を惜しんで勉強しろ」というのも、それに近いですね。私は精神論が前面に出すぎているんだろ思いますね。少し科学的に考えると、これがどれだけ「水を飲まずに練習しろ」に近いか、お分かりになるんじゃないでしょうか。
案外、今、問題になっている日本の非製造業の生産性の悪さも、こんな精神論が幅を利かせているところに原因があるんじゃないのかな、と思いますね。
ぜひお子さんにはしっかりと睡眠をとらせて、勉強の効率を上げてあげてください。これが保護者の大事な役割だと思います。