よくご相談を受けるものの中に「定期テストでは点数が取れるのに、実力テストになったら点数が取れない」というものがあります。
これには全く異なる2つの理由があります。
<理由その1>
定期テストは100点が何人いても構わないが、実力テストは100点を取らせないように作っている。
これはテストの目的が定期テストと実力テストで根本的に異なっているからです。
定期テストの目的は「生徒一人ひとりの理解度を見ること」です。極端なことを言えば、テストを受けた生徒全員が完璧に内容を理解していれば、全員が100点をとっても全くおかしいことではありません。
これに対して実力テストは「生徒全体の理解状況の分布を見ること」が目的です。これには統計学的な手法を用います。少々専門的な内容になりますが横軸に点数、縦軸に生徒の人数のグラフを作成して、全体が「ちゃんとした裾野を含むきれいな山形を描くグラフ曲線」を描きます(これを正規分布といいます)。これをもとに、どれくらいの理解度の生徒がどれくらいの割合で存在するかを分析します。
この時「ちゃんとした裾野ができること」が大事です。もし100点の生徒が大量にいたら、きちんとした山の裾野はできません。そこで切れてしまうからです。これでは正しい分析ができないため、高得点側でもきちんと裾野が出るようにします。すなわち100点を極力出さないように問題を作成します。当然ながら、問題は多く、また難しくなります。この結果、定期テストに対して平均点は大幅に下がりますし、一般的には得点も下がります。
目的が違えば、当然結果も違ってきます。これが定期テストでは点数が取れるのに実力テストで点数が取れない理由の一つ目です。
定期テストと実力テストを同じ土俵で比べるのは、実はあまり意味のないことなのです。あくまでも分けて考えるべきです。
<理由その2>
定期テストはワークの答えを覚えれば点数が取れるが、実力テストは正しい勉強の仕方が身についていないと点数が取れない。
定期テストは多くが学校のワークから出題されます。本来ワークは学習した内容をきちんと理解するために用いるものですが、実際はそこから出題されるため、そのワークの答えを覚えればある程度点数が取れてしまいます。そうすると必然的に「点数を取るために答えを覚える」という勉強に陥ってしまいます。残念ながらそれでは「考える」力は身に付きにくいのです。
それに対して実力テストは「考える力そのもの」が要求されます。よく問題の解き方と間違われやすいのですが、考える力と問題の解き方は異なるものです。
考える力とは「正しく情報を読み取り、正しく整理して、正しく理解する」ことの上に成り立つものです。これらは「正しい勉強の仕方」が身についていないとできません。
これに対して問題の解き方は「このような問題ではこのように解く」の訓練です。すなわち解法テクニックを身に着けるということです。多くの問題はこれでも対策ができますが、本質を見る力を要求される問題では手も足も出ません。解法テクニックの習得だけでは実力テストには十分対応ができないわけです。
前述のように実力テストの目的は「生徒全体の理解状況の分布を見ること」ですから、高い理解度を持つ生徒がどれくらいいるかも分析の対象になります。そのため問題も高い理解度が要求される問題(いわゆる難題といわれる応用問題)が出されます。
このことからわかるように、定期テストでも実力テストでもしっかり点数が取れる生徒と取れない生徒では、この「勉強の仕方」に差があるわけです。
学研CAIスクール富山本部校の生徒が高校進学後に好成績を収めているのは、問題解法や点数の取り方ではなく、正しい勉強の仕方をきっちり身に着けて高校に進学するからです。
言い方を変えれば、勉強の仕方を身に着けずに高校に進学した生徒は、確実にドロップアウトします。
もしお子さんが実力テストになったら一気に順位が下がる、ということでお悩みでしたら、勉強の仕方を勉強する教育塾である学研CAIスクール富山本部校にご相談ください。
私どもは高校でドロップアウトする生徒を一人でも減らすことを社会的役割として学習指導をしている日本で唯一の教育塾なのです。