昨日「一柳良雄」先生の講義を受けてきました。
ご存じの方はご存じと思いますが、すごい方です。日本のベンチャーキャピタルの重鎮にして、安部前総理大臣を「安部ちゃん」といい、石井県知事も「石井ちゃん」といってしまう方です。今の菅総理大臣の重要なブレインの一人です。日本の政財界のトップで一柳先生のことを知らない人はいないくらいの方です。通産省官僚時代には、あの宮澤喜一氏や田中角栄氏の秘書も務められました。詳しくはこちらをご覧いただければよいかと思います。
https://www.ichiryu.org/
ありがたいことに一柳先生は私の学習塾の指導方針である「教育は社会のために施されるものであって、点数や進学のために施されるものではない」に全面的に賛同くださっており、ここ7年ほど日本のトップ層の目線からの貴重なアドバイスをいただいています。
講義の後の意見交換会で、その一柳先生に「今後の教育格差の拡大は、日本の将来にどのような影響を与えるか」という質問をさせてもらいました。実に興味深いご意見を頂戴できました。
今、教育の現場で問題になっているのは、理解ができている子供たちと、理解ができていない子供たちが大きく分かれているということです(これを「二極化」と言っています)。
そして今後この差はますます大きくなることがはっきりしています。それはこの「二極化」を生み出している原因が社会全体の構造にあるからです。子供や学校だけの問題ではありません。
一柳先生は「もはやモノづくりで国力を上げることができない以上、日本は知恵で世界と戦うしかない。それが日本に残された唯一の道である。その知恵を生む人材を育成するうえで、格差はやむを得ない。しかしながらその結果生み出された上位の層が下位の層をサポートする仕組みを作ることは必要だ。そうやってグルグル世の中が回る仕組みを作ることが、これからの日本に求められる。」とおっしゃいました。
これは教育に携わる者として、大変に参考になる意見でした。
私ども学習塾はどうしても、点数をあげることや進学に目を向けてしまっています。しかし果たしてそのあとのことまで考えて子供たちに学習指導しているのでしょうか。
「ビジネスだから受かってしまえばそれでよし」という短期的視野でビジネスをしているのであれば、格差を助長するだけであり、国のためにはならない。それは厳しく戒めよ。
これが一柳先生のおっしゃりたいことなのだろう、と私なりに解釈をしてみました。
私どもがお預かりしているのは「未来の日本を背負って立つ人材」です。その貴重な未来の人材を預かり育てる以上、私たちがきちんとした理念を持って学習指導にあたることこそが、子供たちに正しい教育を施せるのだ、と改めて認識した講義でした。