前回は「朝早く起きなさい」
という指示を出した例をあげました。
勉強を直接関係ない「朝早く起きる」という指令はこどもにとって、
「ん?なんだか変だな。勉強じゃないぞ。それならちょっとやってみるか」
と、好奇心を引き起こし、
しかし、結果として余った時間を勉強してしまうように
持って行った作戦でした。
生活をいい方向に変えれば、勉強に向かうものなんです。
こどもの成績を上げたければ、まず生活態度から見直すこと。
そのためにはもちろん親も率先して早起きすること。
こどもにきちんとさせて、親はぐーたらでは
子どもがよくなるわけがありません。
さて、今回は正攻法です。
「人の話を聞ける子は賢い」
これは私の中学時代の友人のことです。
S君は成績は学年1~2位の秀才でした。
私は彼がどんな風に勉強しているのか気になって
さりげなく観察しました。
彼は家で勉強してないのです!
彼の家は6畳2間のアパートに両親、年上の兄弟3人と住んでいました。
何か特殊事情がある過程のようでした。
彼が言うには
「家でなんか勉強できるかい」
それはそうですね。
ふーん。
では彼はいつ勉強しているんだろうか。放課後?
授業が終わると私と一緒に野球部の練習へ、日が暮れるまで。
もうわからないので思い切って聞いてみました。
「なあ、自分いつ勉強してるんや」
「勉強?ちゃんとしてるで。授業中。きまってるやん。
授業って勉強するためにあるんやろ」
「まあな」
以外にも彼は授業中以外勉強してないようです。
それで、私は授業中の彼の様子をみてみました。
取り立てて真面目な顔をしてないけれど、常にまっすぐ先生のほうを見ています。
社会の先生などは余計な話ばっかりするので
大抵の生徒は「またか・・・」とばかりによそ見していますが
どんなつまらなそうなときでも彼は先生の方を見て
時々ニヤッと笑ったりしています。
それからもうしばらく彼の様子を観察していると
授業中だけでなく朝の朝礼の時も、長くてうんざりする校長先生の
話を一人まっすぐ前を見て聞いているのです。
結局分かったこと。
学年1~2位の学力は、授業中の集中力
「聞き洩らさない」ことによってできている。
授業以外勉強する時間がないのですから。