前回は、授業中の集中力の高さでが、「学年トップの秘密」だった友人の話をしました。
彼のことは、塾・予備校講師をやるようになってから、
「あの秘密」を思い出すようにしていました。
「あの秘密」を分析すると、どうやら
「人の話を聞く力」にあるような気がします。
わたしはあまり人の話を聞けないので、余計にそう思うのかもしれません。
そう考えた時、
「彼は一体そんな力をどうやって身に着けたのか」
と、彼との遊びなど、付き合いの中の風景を思い出しました。
その中で印象的なのは、彼のお母さんです。
彼とは二人でいたずらもし、悪いこともやりました。
そんな時、当然叱られますが、小さい我々は、言い訳するのです。
彼が泣きながら
「しゃあけど・・・・やねんで、かーちゃん」と訴えます。
お母さんはそんな時、いつも
「うん、それで?」
と最後まで彼の話を聞くのです。
長い長い弁明を目をそらさずに聞くのです。
そして最後に
「でもあんた・・・・・・二度としたらアカンで」
で終わるのです。
私はこのいつもの風景を思い出すのです。
どんな時も子供の話を聞いてくれる、そんなお母さんに育てられ、
彼は「聞く力」を持ったのではないでしょうか。
勉強の中心は学校です。
そして授業はその核です。
授業中に集中して聞けることこそ最も合理的な勉強法です。
でも、「聞く力」をつけさせるには「聞いてもらえた経験」
がなくてはなりません。
「うちの子は勉強しない」
と、嘆く前に、まずどんなことでも、
子供の話を聞いてあげる親になってください。
子は親の鏡です。