厳しく長い冬が去ろうとしています。今年(2013年) は雪は少なかったのですが、気温が異常に低くて、心臓病の私には、つらい冬でした。その分、春の訪れが、他の人よりもうれしいのかもしれません。
当たり前ですが、日本には四季があります。しかし少し考えてみると、赤道直下の国々は、一年中夏です。四季はありません。このような自然環境の違いが、住む人の感性、考え方を形作ります。赤道直下の地域の人びとは、年中夏なので、何も考えなくても、作物は実り、苦労して稼ぐという考え方は必要ない。性格は穏やかになり、争いも少ない。
ひるがえって日本では、季節が次々と巡り、その変化に、次の準備次の準備と、何かと忙しい。自然と、心は落ち着くことがない。けれどその分、頭を働かせるので、工夫し、新しいものを生みだす民族になるでしょう。これは民族だけでなく、家族についても言えそうですね。何不自由なく育った人は、やはり〈工夫〉に欠けるでしょう。そう考えていくと、人生とは、幸運は不運に、不運は幸運に、変わる/変えられるものなのかもしれません。□
{2013年、塾通信より}