3月上旬は、卒業シーズン。この時期は、いつも同じ感慨に浸ります。
「年々歳々 花同じたり」
「年々歳々 人同じからず」
富山の長い冬が終わり、やっと春が巡ってきましたね。
これからは花便りも、順に聞かれることでしょう。
春には梅、桜、夏には菖蒲、向日葵、秋にはコスモス、菊というように。
日本は、春から秋にかけて、花が次から次に咲く「ガーデン(庭園)列島」です。
自然は、毎年変わらぬ姿を見せ、人間に潤いと安心感を与えてくれます。
今は梅の時期ですが、もう一月後には桜の季節となりますね。
一方で、人はこの時期に卒業したり、入学したりして入れ替わります。
別れと出会いの季節です。
現在、高校3年生はこれからの2次の発表待ちです。
私立大学専願の生徒では、すでに志望校に合格した生徒もいます。
でも、多くはまだ入学先が決まっていません。
そして中3は、いよいよ7日の入試に向けて総仕上げ中です。
わかば会では、2月末ですべての高校3年生が”卒会”していきました。
別れには一抹の寂しさがありますね。
しかしまた、わかば会では、春期講習会から新学期が始まり、新入生を迎え、
新たな1年が始まります。
指導する対象は、小・中・高生と毎年変わりませんが、生徒一人一人は毎年変わります。
そこで、新しい出会いが生まれるのが楽しみです。
どの生徒も一人一人が、「花」を持っています。花とは個性であり、可能性です。
彼らは季節の循環と同時に絶えず変化していきます。
春にはまだ蕾でしかなかったものが、夏には枝や葉を繁らせ、
秋には大地にどっしりと根を張り、冬には寒さに負けない太い幹を持つかもしれません。
花も人も、自ら伸びようとする力が備わっています。
それ本来の力を引き出すために、丹精を込め、手助けすること。
花や人を育てる者ができることは、せいぜいそれくらいのことかもしれません。
しかし、その難しさを肝に銘じて、新しい年度を迎えたいと思います。