中学1年の時の思い出です。
数学の先生でした。名前は大西先生。
女の先生でした。
先生は必ず宿題を出します。
それは中途半端な量ではなく、
前夜一生懸命がんばって何とか終える量でした。
翌日の授業は、その答え合わせからです。
一題一題、順々に、
50人を超す（！）クラスメートたちが答えを言って行きます。
間違うとそのまま立っていなければなりません。
次に答える順番が来るまでです。
もしも、宿題をしてこなかったりすると、
皆が答えを発表するのを、
黙って立って聞いていなければなりませんでした。
けれど、逆らうとか、その先生の授業を逃げようとか、
そんなことは露ほども思いませんでした。
ただそれだけだったのですが、
今にして思えば、当時の私は、
その先生の授業がひたすら怖かったのを覚えています。
大西先生は、ひっつめ髪で、
袖の汚れを防ぐ黒い腕カバーをいつもされていました。
宿題をしてこない生徒がいると、
とても悲しそうに、何でしてこなかったのか、
今のこの時が如何に大事かを、
少しかすれ声で幾分オクターブの高い声で説教されるのでした。
授業が解りやすかったような思い出はありますが、
ただただ、先生の一生懸命さを畏れていたような気がします。
それからの私は、
計算においては厭うことはなかったように思います。
生徒との雑談で、学校の”怖い先生”の話になると
きまって、半世紀以上前の数学の大西先生を思い出します。
夏期講習会は７月２２日から８月３１日まで
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