前回までのブログで、2021年度入試からは一般入試が「一般選抜」、
AO入試が「総合型選抜」と名称が変わることをお伝えしました。
今回は、従来からある推薦入試について説明します。"推薦入試"は2021年度入試からは、「学校推薦型選抜」という名称に変わります。
推薦入試には、「指定校推薦」「公募制一般・特別推薦」「系列校の内部推薦」があります。「系列校内部推薦」は特殊ですので、ここでは除きます。
「指定校推薦」は、大学側がこれまでの実績がある高校を指定し、人数を限定したうえで、受験生を募ります。応募者が多くなると、まずは校内での選考が行われす。また「指定校推薦」はその募集の性格上、多くは私立大学で実施されています。
指定校推薦入試では、ほとんどの場合特別な試験を受ける必要がなく、書類提出・面接のみか、それに志望理由書が加わる場合が多いようです。大学から指定された高校のみからの応募ですから、一般的には合格率は非常に高くなりますが、不合格になることもありますから気を付けてください。
「公募制一般推薦」は、大学側が示す評定平均などの基準を満たせば誰でも受けられるものです。応募人数が多くなれば、当然不合格になる場合が多くなります。
「公募制特別推薦」では"スポーツ推薦"が有名です。都道府県の大会において優秀な成績を収めている高校生を対象とし、大学による書類審査と面接や実技・小論文等により選考されます。すべての人を対象にしているわけではありませんので、ここではこれ以上の説明を割愛します。
ネットに「スポーツ推薦を実施している全国の大学」の情報が掲載されていました。(興味を持たれた方は、上記リンクをクリックしてみてください。)
2020年度の公募制の推薦入試は、国立大学(82校)のうち76校、公立大学(91校)のうち89校で、行われました。選考方法のパターンとしてはセンター試験を「課すか」「課さないか」で大きく二つに分かれています。
地元の高校を優先する「地域型」の推薦もあります。国公立大学の、保健系(看護・医学部など)や教員養成系の学部で見られます。例えば、富山大学医学部では富山県内高校のみを対象として、25人募集しています。調査書・応募理由書等の書類と面接で合否を決め(11月半ば)、条件としてはセンター試験が8割以上を得点することとしています。2月上旬に最終決定となります。
1967年から導入された推薦入試は、受験者人数・受験者の動向等により選考方法に紆余曲折がありました。方法は各大学により異なりますが、現在では、大学独自の試験やセンター試験受験を義務とするなど、受験生の学力をしっかりと確認したうえでの合否を決定するようになってきています。「学校推薦型選抜」の場合も、いっそうその傾向は強まると思います。
2021年度入試から始まる「学校推薦型選抜」出願は11月以降で発表が12月以降となります。しかし「総合型選抜」と重ねて受験した場合、"総合型"の合否結果(11月以降)を待たずに受験をしなければならない場合もあります。
「一般選抜」を受験しようとしている場合、3年の2学期はとても大切な時期です。「総合型選抜」や「学校型選抜」を希望している人は「一般選抜」との併用は難しく、それなりの"覚悟"を持って臨まねばなりません。
今、高校1年生となる方は、「総合型選抜」「学校推薦型選抜」を受けるとするなら、あと2年半ほどで大学入試となるわけです。3年生の前半がその準備・対策に使われます。1・2月の一般入試への準備がおろそかになります。
次回のブログでは、「専門職大学」と文部科学省管轄外「大学校」の入試について説明します。