「うちの子、3年生が受験で抜けてから部活のリーダーになったけど、うまく部員をまとめられなくて悩んでいるみたい…」
大役をまかされた子どもが部員とうまくいかず、落ち込んでいる様子を見ると心配になってしまいますね。
こんにちは、お子さんにぴったりの学習塾・個別指導塾をご紹介する「塾選び富山」スタッフの稲泉です。
親として何かアドバイスをしたいと思っても思春期の難しい時期ですし、下手をすると親子関係までこじれてしまう可能性があります。
そんな時は親が口をはさむのではなく、専門家が書いた人間関係を改善する本を読むようにおすすめしてみませんか?
今回おすすめする本は、書籍『13歳から分かる!人を動かす』です。
『13歳から分かる!人を動かす』は、人間関係に悩む多くの人々を手助けしてきた名著『人を動かす』が、13歳向けにわかりやすく書き直された本です。
漫画やイラストがふんだんに盛り込まれているので、「本を読むのが苦手」というお子さんにもおすすめですよ。
『人を動かす』の著者、デール・カーネギーは19世紀アメリカ生まれのセールスマン・俳優・話し方教室の先生と多彩な顔を持つ人物です。
著書『人を動かす』は20世紀を代表する自己啓発本で、現在も多くの人々に読まれています。
本では人間関係の原則が紹介されていて、「こんなタイプの人にはこんなふうに対応しよう」というふうに、具体的な対応策が書かれています。
いっぽう『13歳から分かる!人を動かす』は、大人向けの『人を動かす』を、子供向けにわかりやすく書き直されたものです。
『13歳から分かる!人を動かす』の話は、ある日スーパーマーケットの副店長に就任した「青年」が、なかなか言うことを聞いてくれない同僚たちとの関係に悩むところから話がはじまります。
「反抗的な人」「自信がない人」などいろいろな性格の人とどのように付き合っていけばいいのかなど、具体的な方法がストーリー仕立てで紹介されていますよ。
図やイラストを使ってわかりやすく解説されているので、「以前『人を動かす』を読んでいたけど挫折した」という大人にとっても、入りやすい内容になっていますよ。
「どんなにきつく注意しても部員が言うことを聞いてくれない。そればかりか反抗的な態度を困ってしまう」そんなケースに困っていませんか?
反発してくる部員に対して、悪いところを指摘したり、厳しく注意したりしても効果は薄いです。
「正しいことを言っているのだから、いつか伝わるはず」と思う気持ちもわかりますが、頭ごなしに話しても彼らの行動を改めることは困難です。
反発する相手には「どんな相手にも言い分がある」と考え、相手の言い分を聞く時間を設けて下さい。
話を聞いて、相手の中にある不満をみつけ、それを詳しく聞いてみましょう。
相手の言い分を聞いて、その気持ちに寄り添うことではじめて、相手はこちらの言葉を聞いてくれるようになります。
お互いの気持ちを理解すると、気持ちよく協調することができるようになりますよ。
「おとなしい〇〇さん。部活運営の邪魔をしてくるわけではないけど、もう上級生なのだから積極的に参加してほしい」
いつになっても自信がなさそうな人に「もっとがんばってほしい」と感じること、あるのではないでしょうか。
「引っ込み思案なら、自信をもって行動できるように私が何をすればいいか細かく指示をしてあげよう!」
もしかして引っ込み思案な人に対してそんな風に対応してしまうことがあるかもしれませんね。
しかし残念ながら、この方法もいい方法ではありません。
引っ込み思案な人を相手にする場合、まず相手のできないところには注目せず、今できているところに目を向け、きちんと言葉で褒めるようにしてください。
褒められた経験が、相手の自尊心を満たす源になり、少しずつ自信をもって行動できるようになります。
人間は、「自分が重要な人間だ」と感じることで初めて、自分を信じて動き出すことができます。
相手を褒める際は、うわべだけでなく心から褒めるように気を付けて下さい。
そのためには、相手のことを細かく観察しどのように褒めたらいいか考える時間が必要です。
その人がどんな長所や個性を持っているか、時間をかけて考えて、言葉にして相手に伝えるようにしてください。
また褒めることで自信がついたなら、相手を信頼して判断を任せさらなる自信をつけてもらうことも大事です。
「せっかく考えた練習メニュー。部員は良くも悪くも無反応でこなしている…」
リーダーとしてがんばっても、部員の反応が薄いと「どう思っているんだろう?」と心配になることがありますね。
反応が悪い時、相手は不満を持っている場合があります。
そんな時は自分の考えだけを押し付けず、相手の立場に立ち、相手の思いを考えてみましょう。
まず相手は何を求めているのだろう?と考えて、それからお互いの利益と結び付けられる練習メニューや言い方を考えてみましょう。
お互いの利益を考えて作り出した練習メニューをやってもらうとき、伝え方にも注意が必要です。
なぜならメニューをこなすことで得られる利益に、相手が気づいていないことがあるためです。
わかりやすく具体的に伝えることで、相手に「そんな効果があるならやってみたい!」というやる気が生まれます。
ただただ「腕立て伏せ30回!」というのでなく、
「来月の大会のために、肩周りの筋肉を重点的に鍛える必要がある。肩回りを強化するために腕立てを30回をやろう!」
と具体的な目標や効果をセットで伝えることが大切です。
『13歳から分かる!人を動かす』を参考に、部活の人間関係を円滑にするアイデアをまとめてきました。
人間関係は大人だって難しく、悩んでしまうことが多い事柄です。
まして初めて務める部活のリーダーとなれば、うまくいかないことが多くて当たり前です。
今回ご紹介した人間関係を円滑にするコツも、実際に相手がいることですし、実行するのはそう簡単ではありません。
ですが、できる範囲で気を付けることで少しずつ部活の雰囲気をよくしていくことができると思います。
『13歳から分かる!人を動かす』には、様々なタイプの人への対応法が紹介されています。
ぜひ手に取って読んでみて下さいね。
ーーーーーこの記事を書いたのはーーーーー
稲泉 景子 (いないずみ けいこ)
富山で7歳男児子育て中の主婦。
これから子どもにどんな教育をしていけばいいのかお悩み中。
子育て本や教育本を読むのが好き。趣味はカフェ巡りとラクガキ。
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【参考文献】
藤屋伸二(監修),『13歳から分かる!人を動かす』,株式会社日本図書センター, 東京,2022年。