「富山県立高校の推薦入試を受けてみたいけど、自分が受けられるのかわからない。」
「推薦入試ってどんな試験内容?合否もどんなふうに判定されるのか、手がかりが知りたい!」
富山県立高校の推薦入試に興味があるけれど、自分に受験資格があるのか、どんな要素で合否判定されるのかよくわからない…とあきらめている中学生や親御さんはいませんか?
こんにちは、子どもにぴったりの学習塾を紹介する「塾選び富山」の教育ライター稲泉です。
推薦入試は、受験資格や試験内容、合否判定について、あいまいでわかりにくい印象がありますね。
本記事では、なかなか表に出てこない推薦入試の実情を、富山県教育委員会から発表されている内容や、元塾講師からのインタビューで明らかにします。
推薦入試を受ける注意点についても言及していますので、少しでも推薦入試の受験を考えている中学生や親御さんは読んでみて下さいね。
富山県立高校の推薦入試は例年、受験年の2月上旬に行われます。
2024年(令和6年)では、全日制の推薦入試志願期間が2月2日~6日、入試本番は2月13日、合格内定の通知が2月15日に発送、という流れで行われました。
推薦入試を受験する場合、一般入試とは別に試験対策をしなくてはいけません。
なるべく早い時期に決断して、対策を進めていきたいですね。
以下は、富山県教育委員会から発表されている、2024年(令和6年)「全日制の課程 推薦入試の倍率」です。
(富山県教育委員会のサイトより引用)
(富山県教育委員会のサイトより引用)
学科によっては倍率が2倍を超える学校もありますが、1倍を切る学科も少なくありません。
志望する学校や学科が推薦入試を実施しているなら、積極的にチャレンジしておきたいですね。
令和6年度「富山県教育委員会」から発表されている推薦入試についての資料には、以下のように書かれています。
●一人一人の個性や目的意識、様々な能力や実績などを重視する選抜方法です。
●学力検査は行わず、調査書や推薦書、面接、作文、実技検査などの結果をもとに選抜します。
●推薦選抜を志願できるのは、令和6年3月に中学校等を卒業する見込みの人で、次の条件(1)~(4)を満たし、中学校長等の推薦を得た人で、合格内定となった場合は、当該高等学校への入学を確約できる人です。
(1)志願する学校、学科、コースを志望する動機が明白であり、目的意識を有すること
(2)志願する学校、学科、コースに関する興味・関心があり、適性を有すること
(3)志願する学校、学科、コースにおける各教科・科目の履修に必要な学力を有し、人物が優れていること
(4)次のa、b、c、dいずれかに該当し、入学後のいろいろな活動に成果が期待される人であること
a.調査書の「学習の記録」が優良であること
b.専門に関する優れた能力又は実績があること
c.芸術、文化、体育のいずれかの分野において優れた能力又は実績があること
d.生徒会活動、社会奉仕活動等学校内外における自発的な活動に継続して積極的に取り組んだ実績があること
(令和6年度富山県立高等学校入学者選抜より引用)
このように推薦入試は一般入試と違い、学力テストがなく、個人面談・作文・実技で合否が判定されます。
一般入試とは、対策が大きく異なる点には注目しておきたいですね。
富山県立高校の推薦入試の内容は、個人面談と作文、スポーツや音楽のコースを受験する場合は、実技試験が課されます。
実技については各コースさまざまなので、ひとまず今回は推薦を受けるほぼ全員が受けることになる個人面談と作文の内容について、まとめます。
推薦入試の個別面談は、生徒1名に対して2~4名の高校の先生が面接官となって面接が行われます。
面接時間は、5~10分ほど設けられていることが多いようです。
そして、個人面談でよく聞かれるのが以下の質問です。
・志望理由
・中学校時代に頑張ったこと
・好きな教科、苦手な教科
・高校で頑張りたいこと
・自分の長所と短所
・尊敬する人
最低限以上6つの質問には、スラスラと答えられるようにしておきたいですね。
「富山いずみ高校」では1分間の自己アピールの時間があったり、「富山南高校普通科国際コース」では英語による問答があったり高校によって聞かれる項目は異なります。
推薦入試を受けたいことを中学校に申し出ると、面接練習用のテキストが配布されます。
受験を決めたなら、なるべく早い段階で受け取るようにして下さいね。
「中学生で個人面談を受け慣れている」という生徒はなかなかいないと思います。
「本番で緊張してしまい、うまく答えられなかった」とならないように、学校や塾の先生と繰り返し面談の練習をしてくださいね。
推薦入試の作文課題は、「呉羽高校普通科音楽コース」をのぞいて全ての高校・学科で行われます。
各高校によって・年によってテーマは変わりますが、以下のテーマの出題が多いです。
どのテーマが出題されてもいいように練習してくださいね。
・高校で身につけたいこと
・中学で学んだこと
・今まで一番嬉しかったこと
・失敗から学んだこと
・友達について
毎年、各中学校では推薦入試を受けた生徒に対して、どんな試験だったのか試験後ヒアリングしていることが多いです。
各高校で行われた推薦入試の文字数や制限時間、面接や作文で聞かれたことなどが記録されているので、志望校でこれまでどのような問題がでたのか、学校の先生に確認するようにして下さい。
富山県の推薦入試について、元塾講師で「塾選び富山」の代表早水由樹(はやみずゆき)さんに、推薦入試の合否や試験後の注意点について話を聞きました。
以前、「富山県教育課」に推薦入試の合否はどのように決まるのか、質問したことがあります。
その時は、次のように回答されました。
「実施要項にあることが回答できる全てで、学校単位のことはお答えできないのです。中学校の先生とよく相談した上で推薦入試を受けるか決めてください」
以上のコメントからは、推薦入試に関しては県単位で管理されておらず、各高校の判断に任されていることがうかがえました。
また、私の塾講師時代の個人的な感覚ですが、当日の面接や作文で一発逆転は限りなく難しいと感じています。
多くの生徒の面接や作文添削をしましたが、やはり合格内定をもらえるのは「今までの積み重ね」がある生徒です。
はっきり言ってしまうと、推薦入試は調査書や推薦書の配分が大きいようです。
高校入学後に活躍してくれる、「お手本となるような生徒」に入学してもらいたいから推薦入試があるのですよね(複数の塾や学校の先生に質問したところ、ほぼ私と同意見でした)。
推薦入試を受けることは決めたけれど、もし不合格だったら…という気持ちが頭をよぎるかと思います。
「気持ちは立て直しができるのか」「失った時間は取り戻せるのか」このような質問を生徒・保護者双方から受けることがありました。
それについては今でも「塾選び相談」を受けるときに、こう答えるようにしています。
大丈夫!気持ちは立て直せます!と。
もちろん、一般試験の日まで1か月を切っていますから、「勉強しなくては!」という焦りは生まれやすいです。
ですが、落ち込んでしまったまま一般試験当日を迎える生徒には今まで会ったことがありません。
ただ、私立高校の専願で不合格だった場合は、学校や塾の先生と本人の未来についてじっくり話合う必要があると思います。
本人にとってどの進路に進むことが幸せなことなのか、将来どんな仕事をしてみたいのか。
定時制高校や就職なども検討に入れて話合いたいですね。
長い時間をかけて対策した推薦入試でも、不合格になることがあります。
その場合、残された1か月弱の期間で周りより多く勉強することで遅れを取り戻す必要があります。
親としては食事や声がけなどのサポートで、子どもの気持ちと体調を支えたいですね。
さて、ここで1つ頭の片隅に置いてもらいたいのが、受験後の「燃え尽き症候群」です。
推薦から一般入試に切り替えて、おもいっきりアクセルを踏み続けた1か月が終わり、合格を勝ち取った時の逆転劇は本人の成功体験につながると思います。
ただ、推薦入試と一般入試を経験した生徒は、一般入試のみで受験した生徒より試験後に燃え尽きてしまうことが多いように感じています。
大学進学を考えている場合は、次は全国の高校生がライバルになります。
高校に合格したからと勉強をやめてしまうと、大学受験対策に大きく遅れをとることになってしまうのです。
高校進学後、大学に入学するにせよ就職するにせよ、通知表の点数はその後の進路に大きく関わります。
油断なく高校1年生から学力を積み重ね、定期テストで点数をとっていくことは非常に大切なのです。
親としては受験が終わったあとも、子どもが勉強のリズムを崩さないように生活環境を整えておきたいですね。
富山県立高校の推薦入試の受験資格や入試内容・日程・倍率など気になる情報をまとめてきました。
推薦入試について、「ごく一部の成績優秀な生徒が受けられる試験。私(うちの子)には関係ない」とあきらめている生徒や親御さんはいませんか?
もし志望する高校・コースに推薦枠があるようなら、学校の先生に受験できるかどうかだけでも確認してみて下さい。
自分の進みたい進路に、2回挑戦できるチャンスがあるなら機会を逃さず挑戦してほしいです。
いっぽう今回の記事では、推薦入試受験後の注意点についても見えてきました。
受験するとなると、つい受験本番のことばかり考えてしまいますが、不合格だったときのことや、合格だったときのことなど、先々を考えて油断なく対策していきたいですね。
「塾選び富山」では、推薦入試対策に強い学習塾をご紹介しています。
推薦入試の受験を考えている中学生やその親御さん、無料で受けられる「塾選び相談」をご利用ください(要予約)。
ーーーーーこの記事を書いたのはーーーーー
稲泉 景子 (いないずみ けいこ)
子どもにぴったりの学習塾を紹介する「塾選び富山」の教育ライター。
現在、富山県で9歳男児子育て中。
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【記事監修】塾選び富山代表 早水由樹