こんにちは、お子さんにぴったりの学習塾・個別指導塾を紹介する「塾選び富山」スタッフの稲泉です。
「2021年中学校の教科書が改訂されて新しい教科書はどう変わったの?」というテーマで5回に渡って連載しています。
【第1回】では「国語」の改訂ポイントについてお伝えしました。
●【第1回】「国語」の教科書改訂についての記事は、こちらをクリックしてください。
国語の改訂ポイントを読んで、「ずいぶん変わったな…」と心配になった親御さんも多いのではないでしょうか?
第2回のテーマは「数学」。
前回の国語と同じように、「数学」もまた思考力や読解力を問われる内容になっています。
具体的にどう変わっているのか、お伝えしますね!
まず学習内容を習う学年がどのように変わったのか、以下にまとめておきます。
●「素因数分解」が中学3年→中学1年に
●「累積度数」が高校→中学1年に
●「統計的確率」が中学2年生→中学1年に
●「反例」が高校から中学2年生に
●「四分位数・四分位範囲」「箱ひげ図」が高校→中学2年に
●「誤差や近似値」「有効数字」が中学1年生→中学3年生に
多くの内容がこれまでより早い学年で習うようになりますが、「誤差や近似値」「有効数字」のみ中学生1年生→3年生へと変更されています
新しくなった「中学校学習指導要領」では、「現実の世界」と「数学の世界」のイメージ図を使って、社会の中で算数がどのように使われているかを説明するように指導されています。
要するに、生徒の「数学って何の役に立つの?」という疑問に手厚く答えてくれるようになったわけです。
「雷の発生地までの距離を音速と関数を使って求める」「短い時間で測る体温計は関数を使っている」などの具体的な例をあげて、数学がどのように役立つのか説明されています。
こうした実例を紹介するコラム記事が以前の教科書より大幅に増えているのが、今回の改定の特徴です。
テストでも「一次関数は現実世界でどういうときに使われるのか」などを問う、活用系・思考系の問題が出される可能性が高いので、教科書のコラム記事にもしっかり目を通しておきたいですね。
「PPDACサイクル」とは、Problem(問題)、Plan(計画)、Date(データ)、Analysis(分析)、Conclusion(結論)のことです。
「問題をみつけ→どうやって解いたらいいかを計画し→計画に通りに解いてデータをとり→出てきたデータを分析し→結論を出す」という行程を繰り返すことを「PPDACサイクル」といいます。
「PPDACサイクル」は問題を解決する方法として紹介され、問題を解くときはもちろん、クラスでの話し合いや、発表を行う時にも、この手順に従って説明するように求められます。
「PPDACサイクル」を使っての説明が上手に行えるかどうかも、評価の対象になりそうです。
新しい教科書では、問題が発生した状況を文章や図を使って、より細かく説明されるようになりました。
定期テストでも、会話文を使って状況を説明するなどの長文の問題や、図表など資料を読み込む問題も増えていくことが予想されます。
「なぜこの式になるのか」を理解しているか、社会のなかで数式がどう活用されているかの実例を文章で答える問題も増えて行くでしょう。
これまでのテスト対策として、時間のかかる文章題は飛ばすという方法がとられることがあったと思いますが、これからのテストでは避けて通ることは難しいでしょう。
もっともテストで出される文章題は、本質的な理解をしているかどうかを確認する簡単な内容になると予想されるので、避けずに積極的に取り組んでいきたいですね。
今回の教科書改訂により、「数学」はより現実世界での使い方を学べる内容になりました。
「数学って何の役に立つのかわからない」とやる気がでなかった生徒も、実社会で使えるならと前向きになるかもしれませんね。
その一方、テストの内容がこれからは現実社会に対応したものになり、数式を丸暗記するだけでは解くのが難しい問題が増えることが予想されます。
読解力や図表を読み取る力、問題解決の行程を説明する力など、分野を超えた幅広い知識と技術が求められることになるようです。
【第3回】では、「理科」についてとりあげます。
「理科」も数学同様、思考力や問題解決力が求められる内容へと変わっていますよ。
●【第3回】「理科」の教科書改訂についての記事は、こちらをクリックしてください。
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ーーーーーこの記事を書いたのはーーーーー
稲泉 景子 (いないずみ けいこ)
芸術文化学博士。富山で6歳男児子育て中の主婦。
これから子どもにどんな教育をしていけばいいのかお悩み中。
子育て本や教育本を読むのが好き。趣味はカフェ巡りとラクガキ。
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【記事監修】(株)とやまなび塾選び事業部、教育開発出版(株)