「SDGs」という言葉を、ニュースや新聞で目にすることが多くなりましたね。
突然お子さんに「SDGsって何?」と聞かれて、説明に困った親御さんも多いのではないでしょうか?
「SDGs」とは一言でいうと、「より良い世界にし続けるために全世界の人が取り組む目標」です。
2020年度の小学校向け「新学習指導要領」には、「子どもたちが持続可能な社会の創り手となることができるようにする」という内容が追加され、学校の授業でも「SDGs」が取り扱われるようになりました。
また高校入試や大学入試でも「SDGs」について、意見を求められる機会がさらに増えることが予想されます。
親としても「SDGs」について質問された時、しっかりと具体例を交えながら子どもに伝えたいですね。
本記事では説明しづらい「SDGs」とは何なのかをわかりやすく説明し、子どもと実践する方法をまとめました。
「SDGs」について一言で説明しにくいのは、以下の2つの理由があります。
①「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」という言葉の意味がわかりにくい。
②実践すべき目標が17個の分野に分かれているので、一言で説明するのが難しい。
まず、「持続可能」「開発目標」などの難しい単語が、理解を難しくさせています。
ひとまず元の単語のことは忘れて、「よりよい世界に住み続けるため、私たちみんなが取り組む目標」と伝えてみてはどうでしょうか。
また、17個の各目標が幅広い分野に分かれていることも、説明を難しくさせている原因です。
単語や全てのテーマを一気に伝えようとするのではなく、項目ごとに「なぜこの目標が大切なのか」を説明したほうが、イメージを伝えやすいでしょう。
次章では、「SDGs」の5つの目標をとりあげ、目標の意味と具体的な実践方法をご紹介します。
「SDGs」の項目のひとつ、【つくる責任 つかう責任】では、「モノを作る人も、使う人も、限りある資源を大切にすることを考えよう」ということが訴えられています。
身の回りにある物すべてが、限りある資源で作られています。
資源を使って作る側の会社も、使う側の個人も、どうしたらムダ使いをなくせるか考え、実行する方法を考えたいですね。
まず始めの取り組みとして、鉛筆や消しゴムなどの文房具を小さくなるまで使ってみませんか?
短い鉛筆は使いにくく感じるかもしれませんが、「物を大切にする」という気持ちをもって使うようにして下さい。
その他にも、普段の生活の中に「もったいない」がないか、親子で探してみたいですね。
【エネルギーをみんなにそしてクリーンに】は、「地球や生き物に害のないエネルギーを、みんなで平等に使おう」という目標です。
電気を作る時にできる二酸化炭素が、地球温暖化の原因の1つになっているという説があります。
このまま温暖化が進むと、将来地球に人が住めなくなる可能性があるのです。
どうしたら二酸化炭素の排出を少なくできるか、親子で考えてみたいですね。
まずはエネルギーのムダ使いを抑えるため、親子で節電の工夫を話し合うのはいかがでしょう?
「部屋を出る時はこまめに電気を消す」「冬は室内でも厚着をする」など、アイデアを出しあって実行したいですね。
【すべての人に健康と福祉を】は、「だれもが健康で幸せな生活を送れるようにしよう」ということを目指しています。
日本は医療制度が整っているため、比較的安いお金で医療を受けることができます。
一方、世界には貧しくて十分な食事が取れず、予防接種も受けられず、病気にかかってそのまま亡くなってしまう人がいるのです。
まずは世界の現状を知り、私たちに何ができるか考えてみたいですね。
「ユニセフ」や「日本赤十字社」「国境なき医師団」などのさまざまな団体が、恵まれない国の人々に医療やワクチンを提供する活動をしています。
慈善活動を行う団体の活動を助けるため、定期的に寄付をする習慣をつけるのもいいですね。
【海の豊かさを守ろう】は、「生き物がたくさん育つような、きれいな海づくりをしよう」という目標です。
この目標に近づくためには、現在海にどのような問題が起きているのかを知る必要があります。
普段私たちが使うことが多い、プラスチック製品のゴミが海にたくさん流れ出しているのをご存じですか?
自然にかえらないプラスチックゴミは海にたまり続け、海の生き物の命を危険にさらしています。
海のゴミの現状を知るため、海岸の清掃活動に参加してみませんか?
活動に参加することで、ゴミの観察ができるほか、美しい海を取り戻すことにも貢献できます。
またマイバックや水筒・はしを携帯し、プラスチックのスプーンやフォークの提供を断るのもいいですね。
【人や国の不平等をなくそう】は、「すべての人や国は平等で、差別しないようにする」ことを目指しています。
国、人種、肌の色や宗教など、世界には自分とは違ういろいろな人がいます。
自分と他人に違いがあることは当たり前。
「違う」という理由で、人や国を差別するのは控えたいですね。
今後、日本で生活する外国人や海外に住む日本人が増えると予想されています。
自分と他人の違いを認めて、お互いを尊重できる関係を作れるようになりたいですね。
まずはいろいろな国の文化を学ぶため、気になる国のあいさつから学んでみませんか?
あいさつの仕方やジェスチャーの意味は国によって違い、文化や歴史と関連しているものが多いです。
知っておくと、その国の人とコミュニケーションを取るときに役立ちますよ。
「SDGs」について子どもに説明する方法と、具体的な取り組み例を紹介してきました。
実際にやったことがある方はわかると思いますが、「SDGs」を説明するのは想像以上に大変です。
親が伝えるのが難しい場合、無料動画サイトの動画や絵本など、子どもにもわかりやすく説明されているものがたくさんあるので、それらを教材にして勉強するのも良いですね。
「SDGs」のスタートは、「知る」ことです。
子どもがこれからの世界を生きていくため、現在世界で起こっている問題を知り、その問題に対応できるよう、親子で学んでいきたいですね。
---------------この記事を書いたのは---------------
白崎 真弓 (しらさき まゆみ)
塾選び富山スタッフ/元塾講師
好奇心旺盛な娘と体力が有り余る息子の子育て奮闘中。イベントやワークショップに子連れで良く参加している。
趣味は旅行、ヨガ。
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