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【高校生向け】教育情報・大学受験など

【教えて先生】2019年(平成31年度)センター試験 問題分析を知りたい!(数学ⅠA数学ⅡB)~vol.11

 

「教えて先生!」は、子育てや学習などの悩みや質問を、塾選びアドバイザーの早水(ハヤミズ)が、保護者やお子さんに代わって富山県内の有志のベテラン先生に相談、解決のヒントをお答えいただくコーナーです。

 

 

ではまず、きょうのお悩みのご紹介です。

 

2019年(平成31年度)センター試験 問題分析を知りたい!(数学ⅠA数学ⅡBです。

 

 

お答えいただくのは、個別指導塾のアルゴの小倉先生です。先生!どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

個別指導塾のアルゴ 塾長

小倉 規道先生(おぐら のりみち)先生

担当科目:小・中全科目、高校理系

 

中学卒業後、実家の経営する塾で勉強し、最年少の15歳で大検(現・高認)に合格。その後、イタリアに渡りピアノを学ぶ。帰国後、国際基督教大学(ICU)教養学部人文学科に入学。卒業後は多数の塾講師・家庭教師の経験を経て、現在に至る。

 

 

 

 

 

 

 

 

ハヤミズ

センター試験が終わって一週間たちました。今回は、2019年のセンター試験の問題について、アルゴの小倉先生に解説していただきます。受験生や、これから大学受験に向かう高校生のみなさんをはじめ、保護者の方も、一緒に勉強していきましょう。では、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

小倉先生

こんにちは。今年のセンター試験も終わりましたね。受験生の皆さん、お疲れ様でした。この度は、2019年1月20日にあったセンター試験の数学ⅠAと数学ⅡBについての分析、感想などを書きたいと思います。

 

 

まず、数学ⅠAについて。

 

全体的にみると、必答問題は易しく、選択問題は3問ともやや難しかったかなという印象です。平均点は、ほぼ例年通り(62点前後)でしょう。

 

数学ⅠA

 

●第1問の数と式
 

これは問題の意味がわかりやすく、なおかつ計算の量が少ないというサービス問題でした。あっという間に終わって気分よくスタートした受験生も多かったのではないでしょうか。一般的に受験生が嫌いな絶対値入りの問題とはいえ、取り外しやすい絶対値なので、落としたくない問題ですね。

 

●第1問の集合と論理
 

この問題もわかりやすく、手間もかからないという易問。受験生に優しい問題ですね。真偽判別問題について一言。今年は(2)で3問ありましたが、3問目は対偶をとって考えましたか?「対偶を使うのか~(思いつかなかったなあ)」という人は、今後は気を付けてください。真偽判別問題は対偶を使った方が楽な問題が1問は入っています。ぜひ覚えておくと良いですよ。

 

●第1問の2次関数


前の2問に続いて、同様に簡単でした。やたらと簡単とばかり言いたいわけではありませんよ。あえてつまずくポイントを挙げるとすれば、「bのとり得る値の最大値」を求める問題でしょうか。つまずいた人は変数の文字が、x、yではなく、a、bだったから焦ってしまったということかな(予想)。

個人的には、aの定義域をちゃんと考慮しないと、きちんと解答を得られないという問題だったら味があったかなと思いました。

 

 

●第2問の三角比


とても分量が少ない上にわかりやすいですね。超易問。ひっかかりポイントを見つけることすらできない問題でした。

 

 

●第2問のデータの分析


ここは、トータルでみて、やや難だったのかな。(1)(2)はいつも通りという感じで問題ないですね。やっかいなのは(3)でしたね。(3)の中でも特に考えにくかった問題が最後の問題ですね。正直、私も見たときにしばし固まってしまいました。一見どのグラフもほぼ同じに見えてしまい「なにがどう違うの?」となりがちだと思います。このデータの分析の最後の問題で自信を持って正解を選んだ受験生はかなり少ないのではないでしょうか。データの分析ってそんなにやり込む分野ではないので、数学満点狙いの受験生にとってはちょっと怖い分野ですよね。

 

 

●第3問 確率


難易度はやや難ですね。(2)まではよいのですが、(3)から引っかかる人がいっきに増えると思います。確率漸化式の問題に慣れている人にとっては全く抵抗がなかったでしょう。逆に、確率漸化式など解いたことがないという人にとっては、とっつきにくかったと思います。その後も2つの条件付き確率の問題があり、解答欄の桁数もやたら多いという、ぱっと見で大変そうな問題が続きました。ただ実際は、場合分けの作業はほとんどないので面倒くさくはない。やや難ではあるが、難まではいかない問題でしょう。

 

 

●第4問 整数


やや難。問題の始まりはおきまりの不定方程式なので、とっつきやすかったでしょう。ただ、すぐに「AとBの差の絶対値が・・」というくだりで少し憂鬱な気分にさせられます。そこで少しの工夫が必要になってきます。(3)に入ると整数問題らしく言っていることが若干難しくなってくる。でもここは答えを埋めるのはけっこう簡単。センターは時間があまりないので、はっきりとわかる箇所は埋めてしまった方が良いでしょう。最後はちゃんと前半部分の問題と関連づけられたかどうかでしょう。(4)を適切に誘導にのれる人にとっては、意外と(2)が厄介だったかもしれません。

 

 

●第5問 平面幾何

 

やや難。三角比のような平面幾何でしたね。平面幾何っぽいのはチェバの定理を使った箇所くらいでした。気になったのは、辺ADの長さを求める問題と最後の問題。辺ADの長さの求め方はやったことはあるけど、遭遇する確率の低い問題なので、求め方を忘れてしまっていて焦った方が割といたのではないでしょうか。そして、最後の問題がやや難しい問題でしたね。解法の選択肢がいくつかあって、∠DFEは∠AED、∠AID、∠DQEのいずれでもあり、いずれかの角度に余弦定理を使うことにより解けますね。一番楽なのは接弦定理を使うことによってわかる∠AEDから解く方法でしょうか。とにかく図が描きにくい問題は難しめになる傾向がありますね。2016年の平面幾何の図が描きにくく、とても難しかったことを思い出しました。

 

 

 

 

 

 

小倉先生

引き続き、数学ⅡBについて解説していきます。

 

 

数学ⅡB

全体的にみて、必答問題がかなり得点しやすく、選択問題が数列もベクトルも難しかった印象です。数学ⅠAと同じ傾向ですね。平均点は5点ほど上がるようです。

 

 

●第1問の三角関数

 

取り組みやすく、時間もかからない問題です。過去の出題の傾向から、三角関数は難問が出る可能性がある分野だったのですが、今年は当たり年でしょう。

 

 

●第1問の対数関数

 

対数関数は、過去においても難問は出たことがないので、安心感のある分野ですね。今年もほとんどわかりにくい設問はなかったです。気になった設問でいうと、tのとり得る値の範囲を求める設問でした。普段から範囲問題(最大最小問題でもある)をきちんとしたフォームで扱う習慣のない人は、tの下の値がなにか焦ったかもしれませんね。デカルト平面の利用がもっとも、範囲、最大、最小を明晰に把握できる手法だと思います。今回ならば縦軸をt、横軸をxにしてデカルト平面を使えば一目瞭然です(xの定義域を見ながら)。

 

 

●第2問 微分・積分

 

誘導が多い問題でしたね。計算量はさほど多くないでしょう。後半部分は因数定理などにしっかり慣れていないと誘導にのりにくいので、全体として標準レベルの問題だと思います。後半のa2の値を求める問題も、手際のよい同値変形をしていかないと意外と時間を使ってしまいます。

 

 

●第3問 数列

 

今年の数列の難易度は難でした。配点の割合から考えたときの使える時間は12分ですが、今回の数列を解くには少なくとも15分は要りそうです。前半の階差数列は着実にいけば普通に解けます。後半の漸化式の誘導は意図を読み取るのが難しく、なおかつ式の変形に要する労力も多かったです。書く文字数だけでも相当多いですからね。必答問題がいつもより短い時間で解けるので、その余った時間を充てるべき問題でしたね。誘導問題への対策が重要です。

 

 

●第4問 ベクトル

 

ベクトルの難易度は、やや難といったところでしょうか。平面、空間の両方で幾何的な力をやや使わなければならなかったので、図形問題が苦手な人にとっては特に解きにくかったと思います。そのこと以外は傾向として例年通りの流れですね。ベクトルについては毎年のことですが、素早く正確な処理能力も必要とされます。

 

 


以上、2019年度センター試験の数学ⅠA、数学ⅡBについての所見、感想でした。センター試験が上手くいったかたも、そうでない方も気持ちを切り替え、直前期に向かって、頑張ってください!

 

 

 

 

 

ハヤミズ

ありがとうございました。数学用語は音楽の用語みたいで美しいですね。受験生の方は小倉先生の分析を参考に、再び答案を見直してみてくださいね。

 

(構成・スタッフ風谷)

 

小倉先生、ありがとうございました。

 

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住所:〒939-8208 富山県富山市布瀬町南2-11-18 nextビル1

 

 

 

 

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