こんにちは、塾選び富山スタッフの稲泉です。
高校受験を控えた子どもをもつ保護者の皆さん、「内申書」や「内申点」についてどのようなイメージをもっていますか?
私はと言うと、「高校受験の合否に関わる重要な点数だけど、その内容は不明瞭」というイメージです。
内申書や内申点とは、どのように高校受験の合否判定に関わるのか、そしてどのような方法で算出されているのか、気にならない保護者はいないのではないでしょうか。
そこで【富山県立高校入試の内申点の疑問を徹底解明!】と題し、4回にわたって受験のプロである学習塾の先生にインタビューをしてきました。
第1回は学習塾NEXTの塾長であり、「富山全県模試」を主催している一般社団法人富山県教育ネットワーク理事長の織田光先生に、富山県立高校入試の合否判定のしくみと、内申点の出し方をうかがいましたよ!
☆聞き手を青字で、織田先生のコメントを黒で表記しています
織田先生、よろしくお願いします!
織田先生: よろしくお願いします。
内申点とは、高校入試での合否判定を決める、重要な点数です。
国語・数学・理科・社会・英語・体育・音楽・美術・技術家庭の9教科の成績の他、部活動や生徒会活動、学習態度など、生徒の学校生活も含んだ幅広い範囲の評価となります。
内申書(調査書)は内申点が記載された書類で、中学校の先生が評価・記入し、高校に提出されます。
ではさっそく、
高校受験での合否判定は、「①学力検査(入試の点数)」と「②内申点」によって判定されます。
①「学力検査」は、当日の学力試験5教科の点数です。
国語・社会・数学・英語・理科の5教科×40点で、全教科満点なら200点になります。
②「内申点」は、以下(1)~(3)の点数を合計して満点なら150点を得ることができます。
(1)2年時の9教科の成績(5段階評価)を足した点数。
全教科満点の5なら、9教科×5で45点を取ることができます。
(2)3年時も2年時と同じ計算方法ですが、合計点を高校側で2倍にして計算されます。
満点ならば、9教科×5=45点→ 45点×2=90点となります。
(3)特別活動など(部活動や学習態度)から満点で15点がつけられます。
――― 内申点は、45点(2年時の成績)+90点(3年時の成績)+15点(特別活動)=150点になるというわけですね!
では、学力検査の点数200点と、内申点150点の合計350点満点で合否判定がされるのですか?
よく間違えられやすいのですが、2つの総合点では合否判定は決まらないのです。
「学力検査の点数」「内申点」は合計点数で判定するのではなく、異なるパラメーターで別々に評価されます。
内申点は、150点満点として表記されていますが、実際は200点満点の学力テストと同じ重要性(1:1)をもって扱われます。
――― 学力検査さえがんばれば大丈夫!と言うわけではないのですね!では、実際に合否判定はどのように行われるのでしょうか?
合否判定は、「学力検査」「内申点」を縦軸・横軸にして相関図が作られます。
2つの点数は別々に評価され、「学力検査の点数」「内申点」ともに合否基準を満たしていれば合格、両方を満たしていない場合は不合格となります。
「学力検査の点数」「内申点」のどちらか一方を満たしている場合は、合格圏内に近い受験生から合格するというわけです。
例えば受験生は、以下図のように「学力検査の点数」「内申点」の成績によって、いずれかのゾーンに分けられます。
・「学力検査の点数」「内申点」ともに合格圏内のAさんは、合格。
・「学力検査の点数」は合格圏内、「内申点」圏外のBさんは左上の枠。
・「学力検査の点数」は圏外、「内申点」合格圏内のCさんは右下の枠。
・「学力検査の点数」「内申点」ともに圏外のCさんは、不合格。
BさんやCさんのように、どちらかの点数だけ足りない場合であっても状況により合格する場合があります。
特に図の濃い水色のエリアの受験生は、「学力検査の点数」「内申点」が募集定員の上位10パーセント以内(推薦者は除く)なら、その一方だけでも合格になることがあります。
従って、BさんもCさんも合格の可能性は十分にあるのです。
――― なるほど!どちらかの点数が低いからといって、諦めなくてもいいのですね。
とはいっても、「学力検査の点数」や「内申点」どちらかかが著しく低ければ合格は難しいですよね?
合否判定は「学力検査」「内申点」の2つの要素から決められるため、どちらかの点数が著しく低い受験生は、「学力検査」「内申点」両面で合格条件を満たしている受験生に比べて不利になります。
「学力検査」で点をとることはもちろん重要ですが、「内申点」もまた高校入試の合否の半分を決める、重要な点数です。
2年生の定期テストから、確実に点数をとっていくことを心がけて下さいね。
高校受験において、内申点が合否に深く関わる非常に大切な点数であることがわかりました。ではいよいよ、内申点の計算方法をうかがいます!
内申点は図の「内申書(調査書)」に記録され、中学校から高校に提出されます。
(富山県のwebページより引用)
調査書右側の部分「学習の記録」には、2年・3年時の通知表の成績が記入されます。
先ほども述べましたが満点の場合、2年時の成績が45点、3年時の成績が45×2で90点になります。
「学習の記録」に書かれる点数は、内申点150点満点中135点と最も配点が大きい部分です。
――― 150点中135点というと、内申点150点中の90%にあたるわけですね。
大半の点数が、「学習の記録」からつけられると考えてよさそうですね。
中学2年の1年間の平均点と、3年はじめから2学期末までの期間が内申点の目安になります。
富山大学附属中学校は2学期制(前期・後期制)を取り入れていますが、その場合は2年の平均点と、3年の前期末までが対象になります。
3年2学期末(12月)を過ぎてから慌てて内申点を上げようとしても手遅れなので、評価対象となる期間をしっかりと頭に入れて対策をしてくださいね。
調査書左側の部分には、本当に様々な要素が書かれています。
項目を見てみると、生徒会活動・学校行事・部活動・基本的生活習慣をはじめ、問題解決能力・情報活用能力・学級活動・責任感・創意工夫・思いやり・協力などなど。
書き方も様々で、「評価欄」には「〇」をつけるものもあれば、文章で書く場所もあります。
結論から言うと、調査書の左側の部分がどのように計算されるかは明らかにされていません。
こちらの項目は、中学校の先生がある程度自由に書き込み、高校側も柔軟に受け取る項目なのです。
この部分に関しては、後半でもう少し詳しくお話ししますね。
【富山県立高校入試の内申点の疑問を徹底解明】第1回では、織田先生に高校受験の合否判定の方法・計算方法をうかがいました。
今回先生に話をうかがって、富山県立高校受験の合否判定の仕組みや内申書の計算方法が、はっきり定められ、公表されていることに驚かされました。
どの時期の何の点数が合否に直結するのかを早いうちに把握して、しっかりと受験対策をしていきたいものですね!
【富山県立高校入試の内申点の疑問を徹底解明②】では、織田先生に「生徒会活動や部活動は受験に有利?内申点の上げ方について質問しました!」というお題で話をうかがいました。
内申点の上げ方が気になる親御さん、ぜひ次回もご覧くださいね!
受験間際になって慌てて、「内申点がたりない!」という事態に陥ることは避けたいですね。
内申点で高得点をとるために、早いうちから受験対策を始めてみませんか?
塾選び富山では、お子さんが希望する進路に進むための学習塾を紹介しています(要予約)。
富山市内に限らず、滑川市・黒部市・入善町・砺波市・氷見市・小矢部市・南砺市・射水市など富山県全域の塾、家庭教師の中からお子さんに合った塾、家庭教師をご提案いたします。
「塾選び相談」の窓口でお待ちしております。
塾選び富山の「塾選び相談」
☆富山県内の学習塾・家庭教師
☆予約制
☆相談無料
☆新小学1年生~高校3年生
詳しくはコチラから
ーーーーーこの記事を書いたのはーーーーー
稲泉 景子 (いないずみ けいこ)
富山で5歳男児子育て中の主婦。
これから子どもにどんな教育をしていけばいいのかお悩み中。
子育て本や教育本を読むのが好き。趣味はカフェ巡りとラクガキ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー